普段使っている○○会社の違いについて、いまいちどその定義を確認・整理してみます。
子会社とは
子会社とは、その会社が経営を支配している会社のことです。
基本的には、議決権の 50% 超を保有することで、対象の会社の経営を支配した=子会社化したということになります。
子会社とは、会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう(会社法2条3号)。法第二条第三号に規定する法務省令で定めるものは、同号に規定する会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等とする(会社規則3条1項)。
関連会社とは
関連会社とは、その会社が経営を支配するに至らないまでも重要な影響を与えられる会社のことです。
つまり、議決権としては 50% を超えないものの、それなりの議決権を持っている対象の会社を「関連会社」と呼んでいます。
関連会社とは、会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)をいう(計算規則2条3項18号)。
関係会社とは
関係会社とは、その会社が法的な関係をもっている会社のことです。
定義上、上述の「子会社」や「関連会社」は、関係会社の概念に含まれます。要するに、法的な影響力があれば法的な関係性もあるという理解です。
大きくは、次のように分けられます。
- 親会社、子会社及び関連会社
- 他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等
後者については、親子会社関係とパラレルに考えて、逆関連会社というべきものかもしれません。
関係会社とは、当該株式会社の親会社、子会社及び関連会社並びに当該株式会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等をいう(計算規則2条3項22号)。
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グループ会社とは
グループ会社とは、その会社と何らかの意味を持つ事実上のつながりのある会社のことです。
たとえば、商号に同じ文字列を使っている会社などです。出所ないし営業主体に事実上の関連性を持たせることにより、そこに信用を蓄積してブランディングを図る趣旨だと考えることができます。子会社や孫会社なども含めて「グループ会社」と呼ぶこともありますが、法令上に明確な定義があるわけではありません。
グループ会社とは、特定のグループに所属すると認められる会社をいう(法的根拠なし)。
これらの違いは契約法上の概念ではありませんが、意外と契約条項中に用いられますので、本記事で違いを改めてご確認いただけましたら幸いに存じます。
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条項解説記事一覧
- 基本契約と個別契約について
- 子会社と関連会社と関係会社とグループ会社の違い
- 解除条項(催告解除・無催告解除)
- 中途解約条項(解約権留保特約)
- 権利義務譲渡禁止条項
- 製造物責任
- 危険負担
- 報告義務条項
- 損害賠償条項(損害範囲の拡張・限定)
- 再委託禁止条項(再委託の可否・条件)
- 支払条項(取引対価の支払方法を定める旨の条項)
- 有効期間条項と自動更新条項(契約期間に関する条項)
- 期限の利益喪失条項
- 知的財産と知的財産権
- 知的財産権帰属条項
- 表明保証条項と誓約条項
- 表明保証条項における当事者の主観(「知る限り」「知り得る限り」)
- 秘密保持条項
- 反社会的勢力排除条項(暴力団排除条項)
- 管轄条項(第一審の専属的合意管轄裁判所を定める旨の条項)
- 準拠法条項
- 国際仲裁・調停
- 競業避止/禁止条項
- 競業避止/禁止条項(取締役・従業員等に対するケース)
- 契約不適合責任
- 売買契約における契約不適合責任