杉村法律事務所 代表弁護士 杉村 憲昭 先生に、OLGAのご利用状況や導入するメリットなどについてお伺いしました。
貴所の業務内容をお教えください。
弊所は山口県岩国市を拠点とした、「“今日よりも良い明日”の実現をお手伝いをする」法律事務所です。個人の方向けには離婚や相続、企業向けには主に中小企業様を対象としたリーガルサービスを提供しています。顧問先の企業は建築、専門職、サービス、社団法人など、業種は多岐にわたっています。
所属弁護士は現在のところ私一人です。ホームページや特設サイトなど、ネット経由での問い合わせを中心にご相談いただく機会が増えつつあることから、今後は体制を強化したいなと考えております。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
ビジネスが活発な顧問先企業様から、NDAや業務委託契約のレビュー依頼やひな型作成依頼が大半で、月にならすと5~10件くらいは契約書案件に対応しています。
体制としては弁護士が私一人なため、もちろん自分自身でレビュー・作成の両方に対応しています。
弁護士としての課題感や、OLGA を導入するに至ったきっかけをお教えください。
地方でもチャレンジ精神が旺盛な企業がたくさんあり、そういった企業のリーガルニーズを地元密着型の弁護士でもきちんと汲み取り、「地方でも東京となんら変わりのない、新しいサービスを提供したい」と独立当初から考えていました。
一方で、弊所は企業法務だけでなく個人向け、特に離婚関係の案件対応も事業の柱としているため、移動やご相談対応などで時間はどんどんなくなっていきます。そのため、企業向けのリーガルサービスについては、業務の正確性を保ちつつスピード感のある対応をし続けないと、お客様にご満足いただけません。
一人でも、企業向けに高いレベルのリーガルサービスをスピーディにご提供しつづけるためにはサポートツールが必要だと考えていたところに、SNS上でAI契約レビューの存在を知り、興味を持った次第です。
あとは個人的な傾向として、新しいサービスがでたら使ってみたい、という性質もあります。クラウド会計はわりと初期段階から導入していたり、案件管理サービスや様々なコミュニケーションツールも積極的に導入しています。士業はわりと保守的な業務スタイルとみられることが多いため、私が積極的に新しい取り組みを手掛けることで、ロールモデルのような存在になれたら面白いかもしれない、という思いもあります。
AI契約レビューを選定する際はどういう点を気にされましたか?
まずはコスト面を意識しました。
その上で、操作性や使い勝手など「使えるか」をみて「これは業務効率があがるな」と感じ、OLGAに決めました。
OLGAを使って、レビュー業務のどのような課題が解決されたか、可能な範囲でお教えください。
まず、レビューにとりかかる心理的ハードルが劇的に下がりました。
個人の方と企業法務では“脳の使い方”というか、思考プロセスがまったく違います。たとえば離婚の案件に対応している流れで顧問先企業から「急ぎで契約書をレビューして欲しい」と相談が入ると、関連する書籍を探し、手元に置き、「よし」と、なかば気合いで無理やり取り掛かっており(笑)、業務の立ち上がりに時間がかかってしまっていました。
それが、OLGAを使いだしてからは、Wordを開いて OLGAを立ち上げるだけで準備が完了したようなもので、すぐに取りかかることができます。マインドの切り替えがとてもスムースに行えるようになり、顧問先企業へのご返信も格段に早くなりました。
また、OLGAを使うことで「考える時間」を増やすことができるようになりました。リサーチや条項案の検討がWord上ですべて完結するだけでなく、情報の網羅性・一覧性が高いため、これまで以上に全体を俯瞰して契約について考えられています。
OLGAご導入前後での、レビュー業務やワークフロー、業務の変化についてお教えください。
一人でもダブルチェックができるようになったのが、一番大きな変化です。
まずは OLGAで不足条文を確認して、本当に不足しているかどうかを確認し、必要に応じて顧問先にヒアリングをかけます。同様にリスクチェックの結果も「顧問先にとって本当にリスクかどうか」を考えます。
弁護士として「リスクの見落とし」はレベルを問われるので絶対に避けたいです。ですので、これまでは自分でなんども見直したり時間をおいたりしてダブルチェックしていましたが、OLGAのお陰で安心してレビューすることができるようになったのは、とても大きなメリットです。
弁護士の業務は「集中して考える環境をどう用意するか」がとても重要で、OLGAを使うことでその立ち上がりが劇的に早くなり、結果として、顧問先企業にとって最適な契約書を、最短で納品できるようになりました。
上記について、定量的に評価できる導入効果があればぜひお教えください。
定量化はできないのですが、対応できる契約書の件数は導入前に比べて圧倒的に増えました。くわえて、OLGAは搭載されているひな型も多いため、さまざまな文例を参考にできることから、顧問先へのご提案の幅も広がったように思います。
あとは、因果関係はないかもしれませんが、OLGAを導入してから企業の顧問先が増えました。お問い合わせいただく企業のご担当者さまから、「(OLGAの導入について書いたブログを)見ましたよ」と言われることが多いので、弁護士がAIを使うことについてポジティブな捉え方をされているのかもしれません。
OLGAで、他人に教えたい機能や使い方についてお教えください。
条文検索は、いろいろな書きぶりを調べられるのでよく使っています。
同様に、ドラフト作成機能もよく使います。顧問先から契約書のひな型がほしいと言われる際、ほぼ手を加えない場合は無料でご提供することもあり、サービス向上につかえています。
あとは、最近ストック機能を使いはじめましたが、便利ですね。顧問先固有の条文がたまにあったりしまして、これまでは毎回過去の契約書を開いて確認していましたが、OLGAに条文を貯められるので、今後もっと使うと思います。
OLGAに対する期待値やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
搭載されている契約書の類型がもっと増えるとありがたいです。民事関係の書式、とくにコロナ関連の書式が OLGA で使えるようになると、さらに効率がアップするかなと期待しています。
事例を読まれている方に向けて一言お願いいたします。
弁護士にとっての契約書業務が楽になりながらも、これまで以上に安心して成果物を納品できるようになるツールです。OLGA を使うと、「私がこれで良いと思っている」という、ひとりよがりになっていない、客観性のある成果物を顧問先に提供できるようになります。ぜひお一人でご活躍の先生もOLGA をお試しになられてはいかがでしょうか?