法律事務所LEACT 代表弁護士 酒井 貴徳先生に、GVA assist のご利用状況や導入するメリットなどについてお伺いしました。
貴所の業務内容や特長・得意分野についてお教えください。
弊所は企業法務支援に特化した法律事務所で、インハウス弁護士と顧問弁護士のあいだの「法務部の1メンバー」といった立ち位置で、事業部と直接やりとりする距離感でクライアント様の事業に踏み込み、リーガルサービスを提供することを特長としています。
これは私見ですが、いわゆる「顧問」弁護士は、クライアント様でのissue発生が起点となってから動くため、いうなれば「受け身」型のサービス提供スタイルだと考えています。もちろんそれも大切ではありますが、企業法務においては、事業部門の人間関係や会社がおかれている状況、代表の考え方、組織の意思決定のロジックなど、さまざまな要素が絡み合ったところを紐解く必要があります。
クライアント様の事業に入り込むには、受け身では到底理解が追いつかないため、私から踏み込ませて頂く形をとる、その方がよりよいリーガルサービスをクライアント様に提供できる、と考え、このスタイルにたどり着きました。
開所してからそれほど時間が経ってはいないのですが、ほとんどがご紹介で、お取引企業は上場企業を中心にスタードアップ企業まで幅広くご支援しております。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
先述のようなご支援をしていることから、いわゆる一般的な類型のレビュー業務は、そこまで多くはありません。業務全体からすると、シンプルな契約書レビューは10%、利用規約の作成もふくめた契約書業務は15%くらい、といったところでしょうか。
AI契約レビュー を導入するに至ったきっかけをお教えください。
クライアント様の事業に踏み込んだ形でリーガルサービスを提供するためには、自分自身の業務効率を最大化する必要があると考えていました。単純作業は極限まで減らし、少しでも多くの時間を創出する必要がある、そのためにAI契約レビューツールが使えるのではないかと。
弁護士の場合、契約書レビューは「自分でやったほうが早い」と考える先生が多いかもしれませんし、私自身もそう思わなくはないです。ですが、必要な条文を挿入する、提出前に最終チェックする、といった、簡単ではあるけれど心理的負荷が高い作業をツールがやってくれる点において、AI契約レビューツールは弁護士にとっても有用だと考えています。
また、契約レビューに関する自分の知識や経験にもとづくノウハウをツールに溜め込み、活用できる機能は、自分の思考プロセスを外部化するようなもので、業務品質を高い水準で維持し、将来的な組織拡大の際にも役立ちます。再現性のある高品質な契約レビューをツールがアシストしてくれる点に魅力を感じていました。
GVA assist を選んだ理由は、他ツールと比べて価格感が妥当だった点と、Word上での使い勝手がよかった点、ツールベンダーが用意した契約書だけでなく私が作成した条文を保存・活用できる点の3つが大きな要因です。
GVA assist を使ってみたご感想をお教えください。
まだ導入して日が浅いこともあり、全ての機能を使いこなせていないかもしれませんが、GVA assist は契約書データベースとして使えそうだ、という印象です。
レビュー依頼自体がまだそこまで多くないことから、AIレビュー機能は正直あまり使えておらず、それよりも、条項集としてGVA assist に搭載されているひな型から条項を参照する点に便利さを感じています。また、今後も見据えて、自分で作成した条項もストックし始めており、それが一定以上たまってくれば、さらに効率的に契約書業務ができそうだと感じています。
ほかには、契約書以外の書面でも、Wordで開ければ GVA assist は使えるので、形式チェック機能を書面の最後の仕上げとして使っていたりもします。
GVA assist のどのような点に良さがありますか?
GVA assist を使うことで時間的・心理的負担が減らせるのがありがたいです。
私自身、言葉遣いや構成といった、条文への作り込みについてはこだわりが強いタイプなのですが、こだわるほどに心理的負荷や作業に要する時間が増えていきます。「神は細部に宿る」といいますが、構成はおかしくないか、無駄な表現の揺れがないか、といった契約書の精度を99%から100%にするための作業は負荷が高い、その「作業」を GVA assist がアシストしてくれるのはありがたいです
GVA assist に対するご要望や改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
色々と機能があるため、要望が出せるまでまだ使い切れていない気がしますが、「自分用の契約書のデータベース」として GVA assist を使う観点からすると、自分でストックした条文の一覧性やメンテナンス性がもっと高まると嬉しいですね。
あとは、英文契約書にも対応していますが、搭載しているひな型が今後もっと増えるとありがたいです。
事例を読まれている先生に向けて一言お願いいたします。
GVA assist は、使えば使うほど将来の自分が楽になるサービスです。
それだけでなく、若手弁護士がレビュー業務に携わるにあたり、育成にも使えるサービスだと思います。