弁護士法人PLAZA総合法律事務所 副代表弁護士 / 東京事務所所長 京谷 周先生に、GVA assist の導入背景や目的をお伺いしました。
貴所の業務内容や特長・得意分野についてお教えください。
弁護士法人PLAZA総合法律事務所は、会長の太田が札幌で立ち上げた個人事務所がルーツで、20年以上前から社労士や行政書士などの他士業と連携して、顧問先企業様のお困りごとをワンストップで解決できる体制を整えてきました。いまでこそ都内では普通かもしれませんが、20年前、しかも北海道で、となると、他士業連携を打ち出した法律事務所は当時では珍しかったようです。
現在は札幌と東京に拠点を構え、ハウスメーカー、病院、小売、ITなど、業種をしぼらず多種多様な顧問先企業様から日々さまざまなご相談をいただき、弊所のリーガルサービスをはじめ、他士業と連携して顧問先企業様の経営をバックアップしています。
事務所の規模として、札幌は、弁護士が5名、隣接士業として社労士が1名、行政書士が2名という体制で、東京は弁護士が3名在籍しています。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
弊所のレビュー体制としては、1stを若手の弁護士に対応してもらい、2ndとして私をはじめ所歴が長い弁護士が、1stレビュアーの観点を確認・指導しつつ、仕上げています。
顧問先企業からの契約書レビュー相談は、事務所全体で平均すると月に4~50件くらいあります。契約書の内容としては、売買契約や賃貸借契約といった、よくある契約書のレビュー依頼ももちろんありますが、顧問先企業様のビジネスに関連したさまざまなお取り組みの契約書面化のご相談が多く、都度丁寧にレビュー対応しています。
弊所の顧問先企業は中小企業が多いため、専任の法務担当者がいらっしゃる会社は少なく、経営者がご自身でドラフトを作成された上で、レビューのご相談をいただくケースが多いのですが、その場合はドラフト作成のサポートからの業務対応となる場合も少なくありません。
GVA assist を導入するに至ったきっかけをお教えください。
もともと個人的に新しいテクノロジーに興味があり、リーガルテックが話題になりはじめたころから色々なサービスを見ていました。御社の GVA NDAチェック(旧称:AI-CON)も当初からウォッチしておりましたが、正直あまり弁護士向きではないなと思っており、様子見していました(笑)。
ですが、GVA assist が出てきて自分たちのノウハウを貯めることができるようになった、というあたりから、契約書のレビューにおいてツール導入もありかも、と考えはじめ、検討を進めました。
そもそも、私達弁護士が顧問先の企業様にご提供できる価値は、「顧問先企業特有のビジネス状況をきちんと解釈・理解し、それを踏まえて最適なリーガルサービスを提供すること」だと考えています。コンサルティングと言い換えられるかもしれません。そして、コンサルティングはまだまだAIが対応できる状況では無いと思っています。
一方で、AIは人間のように疲れたりしないので、同じことを淡々とミスなく繰り返していくことに長けています。契約書レビューにおける「重要な一般条項の抜け漏れやリスクの見落とし」といった、大切だけれどいわば“作業”でもあるアウトプットと相性が良いはずです。
私達弁護士がAIを活用して“作業”を効率化することで、これまで以上に高品質なリーガルサービスを顧問先企業様にご提供できるようになると考え、GVA assist の導入をすることにしました。
GVA assist ご導入の決め手はなんでしたか?
決め手は、「コスト感」と「ナレッジマネジメントのプラットフォームとしても活用できること」の2点です。
AI契約レビューツールはいくつか出ていますが、割高な他社サービスと比べると、GVA assist は価格に妥当感があります。そして先述のとおり、弁護士がレビュー業務にAIを取り入れることは、顧問先企業様に提供するリーガルサービスの質的向上に繋がります。その意味で、コストパフォーマンスが高いツールだと思っています。
また、企業法務に強い法律事務所としての特色をさらに強化するためには、日々の案件対応で培っている弊所としてのナレッジを一元化して、事務所全体で活用できる環境を整備する必要があると考えております。この環境をリーガルテックを使って作るのも一つの方法だと考え、契約書をレビューしている最中に弊所独自のナレッジを貯めていけるサービスという点も、GVA assist を選んだもう一つの理由です。
あとは、弁護士が企業法務に携わるにはまずは契約書から、というセオリーに則り、若手弁護士に1stレビュアーとして経験を積んでもらっているのですが、GVA assist を使うことで、先輩の弁護士がOJTとして指導する前に、GVA assist に貯めているナレッジを使って、1stレビュアーがレビューの観点や指摘の多様性を自己学習できる点も、導入の後押しになりました。
GVA assist への期待をお教えください。
まだ使いだして日が浅いのですが、レビューで使い始めるとき、レビュー対象の契約書をどのひな型(プレイブック)に当てるか自動判定してくれるのは良いですね。そして、リスク検知や不足のアラートも、一般的な条文としてはプリセットされている内容で十分に網羅されているので、弁護士によるレビュー後のダブルチェックとしては充分使えると思っています。
また、冒頭申し上げたように、レビュー依頼がドラフティングになるケースも多いため、ドラフト作成用として用意されているひな型が豊富なのは便利そうです。
あとは、これまで弊所として作成してきた契約書や条文が山ほどあるのですが、それらをPLAZA基準として、たとえば業界別にまとめてレビュー時に活用できるようにしていくと、事務所として強みをさらに強化できると考えており、GVA TECHさんに協力いただきながら設計を進めているところです。
弊所として一番期待しているのは、このナレッジ共有です。ツールを他の法律事務所よりも早く導入して知見を貯めていくことが、将来的に強みを指数関数的に伸ばせるのではと考えています。
事例を読まれている方に向けて一言お願いいたします。
GVA assist は、企業法務に強い法律事務所として契約書業務を強化する数少ないサービスです。
作業はAI、思考は弁護士と、役割分担を見極め、作業をAIに任せることで、私達弁護士にとって重要な「時間の創出」が可能になります。
企業法務サービスを提供しており、契約書のレビュー依頼が少なからずある法律事務所は、早めに入れたほうが良いのではないでしょうか。
(編集後記:弁護士法人PLAZA総合法律事務所様のウェブサイト上で、GVA assist ご導入に関する記事をご掲載されています。ぜひあわせてお読みください)