弁護士法人フルサポート 代表弁護士 西面 将樹先生に、GVA assist の導入背景や目的、効果などをお伺いしました。
貴所の業務内容や特長・得意分野についてお教えください。
当所は、企業と個人それぞれにリーガルサービスを提供しており、5人の弁護士が所属している法律事務所です。個人に対しては交通事故や相続を中心としたサービスを提供し、企業に対しては、経営サイドに立った労働問題対応を中心とした「経営者の一番身近なサポーター」を目指し、社労士や税理士・司法書士など他士業と連携して、会社をより良くするための法務サービスを提供しています。
「経営サイドに立つ」と言うと、「労働者と敵対する事務所」と思われてしまうかもしれませんが、そうではありません。当然ですが、経営にとって労働者は味方です。労働者の労働環境を良くすることが企業の安定・成長においてとても大切です。当所は、そのお手伝いをしています。
会社を経営していると日々さまざまな問題が生じます。それらをすべてクリアすることは、法務・財務・人事などの面からいろいろな縛りがあり、難しいこともあります。その縛りの中で、経営者に寄り添い、経営者と一緒に課題を解決していく。これも予防法務の一環と考えています。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
私自身に情報工学のバックボーンがあることから、顧問先企業はIT系が多く、そこからの業務委託契約のレビュー依頼が一番多いです。取り扱い件数はそこまで多くはなく、事務所全体でも月に4~5本くらいでしょうか。
顧問先企業からいただくご相談は、労働問題に関する内容が多いのですが、その過程で「一度契約書も見せてください」と、契約周りのご支援を申し出ます。そうして契約書を拝見しますと、多くの場合、インターネットでダウンロードしてきた契約書だったり、取引先からきた契約書をそのまま流用していたりと、顧問先企業の実情にそぐわない場合が多いです。まずは実情に合うように契約周りを整備していくと、他の契約書レビュー依頼も増えていくケースが多いです。
少し余談になりますが、契約書をきちんと整備して取り交わすことに対して、日本人的な感覚として避ける経営者がいらっしゃいます。ですが、コンプライアンスが重要視される昨今、「契約書をしっかり作れる企業は取引先の信頼を得ることができますよ。」とアドバイスしています。
企業間でトラブルが生じてしまった際、契約書は「問題解決のための指針」になります。トラブルが生じたときはビジネス上の交渉での解決策を選ぶこともできますが、だからこそ交渉の「指針」となる契約書をきちんと整備しておきましょう、というわけです。
GVA assist を導入するに至ったきっかけをお教えください。
他の先生方も同じかと思いますが、「契約書業務を少しでも効率化したい。」と考えだしたのがきっかけです。私は、「顧客を幸せにする、と同時に、スタッフも幸せにする。」ことを理念に掲げています。私は、弁護士であると同時に、事務所の経営者でもあるからです。私を信じて当所に参画してくれているスタッフを幸せにする義務が、私にはあります。その義務を果たすためには業務効率を高めるための投資を惜しむべきではないと考えています。
契約書レビューは、「内容のチェック」と「条文の作成」という2つのプロセスがあります。スタッフの貴重なリソースはクリエイティブな業務である後者に集中し、ITが得意な定型業務はITツールで代替出来るのではないかと考えました。
もちろん、一緒に働くメンバーを増やして業務の負荷を分散する、という方法もあります。ですが、私自身の考えとしては、人員を増やすよりはコストが低いITツールの導入で効率化を進め、その差分は皆へスタッフの給料として還元したい。「スタッフにずっと居続けてもらえる事務所にしたい」という思いから、ITツールで業務効率化が実現できそうなAI契約書レビューの分野で、当所にフィットしそうなサービスを探して、GVA assist にたどり着いた次第です。
GVA assist をお使いいただいたご感想をお教えください。
まず、参考書籍を探す時間は、GVA assist を使うことでかなり短縮できました。また、ドラフティングについても、GVA assist にプリセットされている契約書ひな型で対応できればすぐに作れます。これまでの契約書業務と比較すると、30%くらいは業務時間を短縮できたと思います。
ただ、「短縮できた時間」を、そのまま顧問先企業に対する「業務時間の削減」となっているかというと、そうではありません。ひな型が「顧問先企業の実情に合った契約内容を考える」という、弁護士がやるべきクリエイティブな業務により多くの時間をかけています。クリエイティブな業務に時間をかけられるように、ルーティンワークをいかに効率化できるか、という点に GVA assist の価値があります。
GVA assist への期待やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
企業法務において使える契約書ひな型は既にたくさん搭載されているので、一般民事における文書、例えば交通事故などのひな型が今後増えていくと、民事を中心にリーガルサービスを提供している弁護士にも広がるのではないでしょうか。
事例を読まれている先生に向けて一言お願いいたします。
だいぶ昔の話ですが、契約書業務が手書きだった時代がありました。それが今はPCに代替されています。背景には、貴重な弁護士のリソースをクリエイティブな業務に集中させたい、という意向があったためだと考えています。
AIが発達したことで、同じようにパラダイムシフトが起きるのではないでしょうか。これからは、AIがやれる業務はAIに任せることで効率化を追求し、弁護士はクリエイティブな業務、すなわち「人に寄り添う業務」に自身のリソースを充てることが、スタンダードになるのではないでしょうか。
GVA assist はリーズナブルな価格で使えるAIサービスです。業務効率を高める手始めとして良いのではないでしょうか。