リーガルテックの普及や新規登録弁護士の増加などにより、弁護士業界の競争がますます激化しています。このような環境の中、これまでの受任分野にとどまらず、新たな分野にシフトしたり、提供サービスを工夫したりする法律事務所が増加しています。
一方で、「対応領域は広いが決め手がない」「クライアント獲得の方法が分からない」「どのようにして他との差別化を図ればいいのか分からない」等々、事業拡大やキャリア形成に悩む弁護士の先生方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、「専門分野」に特化して成功を収めていらっしゃる 田島 寛之先生(たじま法律事務所 代表弁護士/株式会社ファースト 代表取締役)と、片岡 邦弘先生(Linolaパートナーズ法律事務所 代表弁護士/入管法届出済弁護士)をお招きし、お2人の先生が実際に経験した事例や成功の秘訣を共有していただきました。モデレーターは康 潤碩(GVA TECH株式会社取締役CLO/弁護士)が務めました。
イントロダクション
登壇者紹介:片岡先生
康:
本日の登壇者の先生方をご紹介させていただきます。
まず、Linolaパートナーズ法律事務所 代表弁護士の片岡先生です。
外国人労働に特化した事務所を立ち上げられており、幅広く活動されています。
登壇者紹介:田島先生
次に、たじま法律事務所代表弁護士、株式会社ファースト代表取締役の田島先生です。
フランチャイズ業界特化のフランチャイズ専門弁護士として活動されています。また、鰻の成瀬FC1号店をオーナーとしてオープンされています。
登壇者紹介:GVA TECH 康
そして、私は、GVA TECH株式会社の取締役をしております、弁護士の康(カン)と申します。
弊社GVA TECH株式会社は、AI契約レビューをはじめとした、リーガルテック領域でサービス展開をさせていただいております。
セミナーの趣旨(業界)
康:
まずは、業界的なお話をさせていただきます。
弁護士数の増加に比べ、法律事務所の数はもっと増加しています。
一昔前と異なり、若い期の先生も独立されたり、2人〜3人で専門特化の事務所を立ち上げられたりすることで、事務所数が増えています。もちろん、それは、競合が増えていることになります。
メインストリームとしては、一般民事の案件に企業法務の定額顧問を乗せることが多いかなと思います。あとは、やはりコンテンツマーケティングに寄っているかなと思います。リスティング広告等をされていた先生方が、結構コンテンツを走らせています。皆様も結構悩まれている部分かと思いますので、後ほど言及させていただきます。
セミナーの趣旨(よく聞くお話)
本日ご参加の先生方から聞いた訳ではないのですが、いろいろな弁護士の先生方を支援させていただく中で、よく聞くことです。
「万事屋弁護士も良いんだけれど、そろそろ脱却したい」
「スポット受任だけでなく、定額法人顧問を増やしたい。どのようにして定額の年間顧問にするのか、そしてそれによって収益を安定させたい」
「『〇〇専門弁護士』として高単価案件を受注したい。」
付加価値が高いため、高単価の案件は受任しやすいです。
「『〇〇ならこの先生』と、マーケティングコストをかけなくても自然と増えていくようになりたい」
他方で、こんなこともよくお聞きします。
「『〇〇専門』を打ち出すことのデメリットの方が大きいのではないか。今やっている万事屋的な他の案件が減るのではないかと不安」
「『企業法務』というカテゴリを出してもあまり意味がなさそう。『ポジショニング』をどう考えればいいのか分からない」
「『専門特化』を打ち出すとしてサイトには書いたけれど、具体的に何をすれば良いか分からない」
中でも、特にこの「ポジショニング」はすごくに重要かなと思っています。
本日の片岡先生・田島先生は、ポジショニングに関してはかなりの試行錯誤を重ねられて、市場的に確立されているという理解だと思います。
それでは、片岡先生にバトンをお渡しします。よろしくお願いします。
片岡先生:「外国人労務」特化のベネフィット
片岡氏:
ただいまご紹介いただきました、弁護士の片岡邦弘と申します。
本日は「弁護士の『外国人労務』特化のベネフィット」というテーマでお話をさせていただきます。
事務所紹介
現在、東京の市ヶ谷で、弁護士2名の事務所を開いており、入管法、技能実習法・育成就労法というような、特に外国人の労務問題の解決をメインにしています。
元々は企業法務一般を広くやってきて、そこから労働に特化していった経緯があります。
そのため、様々なことをやってきた中で、どんなことを考えてきたのか、ということをお話すれば、皆さんの参考になるかなと思っております。
外国人労務特化を打ち出した理由(外国人労務特化型とは)
企業の労働問題をやっている先生方は、非常に多いと思います。
ただ、ここに「外国人」というワードが付くと、途端に皆さんやらなくなります。
この労働法と入管法/技能実習法という、外国人の労働問題の構成をまとめてサポートできるというのが、「外国人労務特化型」である私の一番の強みです。
外国人労務特化を打ち出した理由(外国人労務特化型に至る経緯)
元々は、法人・個人の法務を幅広く扱っていました。その中で、企業法務に特化するため、一度会社に入りました。法人・個人が企業だけになり、その企業をやっていく中で、自分の専門性を考えた際に、一番好きだった労働に特化していこうということで、東京都の労働委員会に勤めました。
その後、弁護士法人グレイスさんにご縁をいただき、様々な中小企業の顧問をやりました。その中で、たまたま外国人の監理団体とご一緒する機会があり、この仕事に触れることになりました。
外国人関連をやられている先生方は多数いらっしゃいますが、どちらかというと、コンプライアンスの話をされていることが多いです。その中で、現場の方々が実際に困っていることの解決をやって行きたいと思い、2020年10月に今の事務所を立ち上げて、この仕事をやり始めたという流れになります。
外国人労務特化を打ち出した理由(キャリアの悩み)
なぜこんなことを考えていたのかについてですが、おそらく皆さんと同じなのではないでしょうか。
「自分の強みがよく分からない」ということです。
対応領域は様々だけれども、決め手がない。クライアント獲得もよく分からない。差別化を図る方法もよく分からない。
色々なことをやっていても、結局強みが分からないから、どうしていけばいいんだというところで、色々もがいていたわけです。
外国人労務特化を打ち出した理由(ポジショニングを考えた理由)
「外国人労務特化型」というコンセプトを作るにあたって、色々なことを考えました。
やはり、自分の強みを一番に活かせるということと、競争相手が少ないということが非常に大きい条件でした。
あとは、これは業種の問題でもありますが、自分と合うクライアントが非常に多いなと思いました。人材業界の方って、どちらかというと親分肌のような性格の方が多く、たまたまそういう方々と相性がよかったため、人材系の会社の顧問なども多くやらせていただくなど、その強みが広がってるようなイメージを持っています。
具体的な実行施策について(ポジショニング)
具体的な実行施策についてです。
先ほど申し上げた通り、私はコンプラではなく、あくまで「現場の問題に強い」という事を自分のポジショニングとして重視しています。
実際現場でどのようなことに悩み、どのようなことをやっているのか、というところを理解し、その中で、トラブルにならないために先回りして提案できるということが、今のポジショニングの強みだと考えています。
法律の話は色々なところに溢れていますが、「実際にこの場面ではどうしたら良いのか」について教えてくれる人は、あまりいないと思います。もちろん私も、全てのことに対して正解を出せる訳ではありませんが、「具体的にこう解決していきましょう」「このように行政と交渉していきましょう」という提案を打ち出せるというのが、今のポジショニングにとっては一番強いところかなと思います。
具体的な実行施策について(紹介ルート)
具体的に何をしているかという話ですが、私は、先ほど康さんが言及されたコンテンツマーケという部分に関しては、付随的なものだと思っています。
どちらかというと、ここに書いているような様々な方々と協業させていただき、そこからご紹介いただくケースが圧倒的に多いです。
まずは話を聞き、どのような形でお役立ちできるかということを積極的にやっています。
具体的な実行施策について(他士業との連携)
例えば、具体的には、このような感じです。
外国人関連の業務をずらっと並べてみたときに、どの部分を私がやるかを考えます。
他士業の方がやっていて、私があまり得意でないところに関しては、積極的にお願いをしつつ、いざとなったときには僕が引き取っていく、という形での連携を積極的にさせていただいています。
これは、皆さん無意識にやっていると思います。ただ、どの部分で協業するのかをはっきり決めているところとそうでないところでは、紹介の質が変わってきます。
そういった連携がどうできるか、というところを意識してやって来ました。
具体的な実行施策について(WEB)
先ほどのコンテンツマーケに関しては、ブログの執筆を少しやっています。
具体的な実行施策について(セミナー)
先に述べたようなポジショニングをやってきた結果として、色々なところでセミナーをやらせていただく機会が非常に増えました。
やはり「外国人といえば片岡」という印象でご指名をいただくことが非常に増えていて、やはりこれは、僕の強みである「現場の生の話が聞ける」というところを面白いと思っていただけているのかなと思います。
これがまさに、専門特化のベネフィットだと感じております。
具体的な実行施策について(リードナーチャリング)
Twitter(現:X)やFacebookもやっていますが、これはあくまで知ってもらうためのきっかけです。知ってもらわなければ、あなたは見込み客にとっては居ないのと同じなんです。
そのため、私であれば「外国人」、田島さんであれば「フランチャイズ」のようなキーワードを定め、自分をぱっと思い浮かべられるかということを意識して活動していただくことは、非常に大切であると考えます。
私のパートは以上です。ご清聴ありがとうございました。
田島さん、よろしくお願いします。
田島先生:ターゲティングとポジショニング
田島氏:
皆様、初めまして。田島寛之と申します。
今日は私から、「ターゲティングとポジショニング」というテーマでお話をさせていただきます。
自己紹介
まず、簡単に自己紹介をさせていただきます。
奈良県に生まれ、早稲田大学を卒業し、2009年に弁護士登録をしました。62期で、GVA代表の山本先生と同期です。
元々は、社会的に弱い立場の人の味方になりたいという理由で弁護士になっているため、一番最初に務めた事務所は、一弁の公設事務所の渋谷シビック法律事務所です。そのため、いわゆる法テラスや刑事事件等も担当していました。
さかのぼると、大学の卒論テーマが「犯罪被害者支援のニーズとその実現」であったように、犯罪の被害に遭われた方のサポートがしたいという一番の思いで弁護士になったという経緯があります。
渋谷シビックで4年イソ弁をやりましたが、公設のため、独立の際に顧問先がありませんでした。
試行錯誤の末、きっかけの1つとなったのが、税理士向けの法律顧問である「法プラス®︎」です。企業さんから普段のお困りごとを相談されるのは税理士さんですが、そこに法律相談も含まれる際、税理士さんでは対応できないため、弁護士に相談すると思います。そこで、税理士さんの顧問弁護士という立場をとれば、その税理士さんが抱えている企業からの法律相談が全部私のところに来る、という仕組みです。
この仕組みを確立する機会をいただいたのが、私が救われた1つのきっかけになります。
その後、フランチャイズ業界特化のフランチャイズ弁護士という形で最近は活動をしております。後ほどまた経緯についてもお話をさせていただきます。
先ほど片岡先生からもありましたが、私もTwitter(現:X)をやっております。
アカウントを2つ持っていて、1つが「肉弁護士®️」で、こちらは商標を取っています。主に若手の弁護士先生を初めとする士業の先生向けに、自分がやってきたことをシェアするようなアカウントになっています。
もう1つは、「フランチャイズ弁護士™️」という形で、フランチャイズについての投稿や、私が経営している鰻の成瀬というフランチャイズのお店の売上を毎日投稿しています。
実は、鰻の成瀬という私のお店はオープンして1年4ヶ月になるんですけれども、良いときも悪いときもありました。売り上げが0円という時もありましたが、0円の時もしっかりと「0円でした」という投稿をさせていただいております。
あとは、「肉弁護士®️チャンネル」というYouTubeもやっています。
全然チャンネル登録者数は少ないんですけれども、主に士業の方向けに、「1人でこういうふうにやったらうまくいくよ」というような、ポジショニングやブランディングのお話をしています。興味のある方は見ていただけたらと思います。
事務所紹介
私の事務所の簡単なご紹介です。
東京の高輪にあり、最寄り駅は泉岳寺です。
外観はこのような感じで、メゾネットタイプの事務所になっています。
階段を上ると、このような会議室がありまして、ウッドデッキでバーベキューもできるというような事務所になっております。
瀧本哲史氏「ポジショニングとマーケティング」
さて、本題に入っていきたいと思います。
これは、片岡先生もおすすめされていた寄稿記事で、もう亡くなられてしまった瀧本先生が「月刊大阪弁護士会」に寄稿されたインタビュー記事の抜粋です。マーケティングやそのコンサルティングのプロの先生が、10年前に既にこんなことを言っていました。
「弁護士は弁護士業務の実力で選ばれるわけではありません。ポジショニング、マーケティング、そして商品設計で決まります。」
PDFで読めますので、まだ読まれたことない方は、必ず読んでいただきたいなと思います。
https://www.osakaben.or.jp/matter/db/pdf/2014/oba_newsletter-10.pdf
「弁護士は既にコモディティ化している」という言葉を使っています。コモディティ化というのは、誰に頼んでもあまり結果が変わらないという状態のことを言っています。それを前提として、弁護士業務の実力で選ばれるわけではなく、ポジショニング、マーケティング、そして商品設計で決まる、ということです。商品設計というのは、メニューのことです。
今日のテーマでいうと「ポジショニング」という話と「マーケティング」が関わるかなと思い、赤文字で強調をさせていただきました。
Why フランチャイズ弁護士?
なぜ私がフランチャイズに特化したかについてです。
さかのぼると、約5年前にFC界隈の方々から「フランチャイズ専門の弁護士がいない。相談に乗ってくれないか」と言われ、当時は全然興味が無かったものの、法律相談や契約書などの案件に対応し始めました。
一昨年になり、FC業界には、結構ベテランの先生はいらっしゃるが、私達と同じような30代〜40代の先生がいないことが分かり、「フランチャイズ弁護士」で商標を取ることにしたというのがきっかけです。結局®︎マークは取れなかったんですけれども、™️マークを使っているという現状です。
1つのビジネスがうまくいき、それを世の中に広める際に、FCというのはすごくいい仕組みだと思います。しかし、いかんせんトラブルが多い業界ですので、これからFC展開をする場合に、私が最初から弁護士という立場で入ることによってトラブルを防ぎたいというのが1番の思いです。
フランチャイズ本部とその加盟店で協力関係を築けるような体制の助けになりたいと思っています。私は立場的に本部側の弁護士としてしかやれないんですけれども、何かトラブルが起きた際に、それをお互いのせいにするのではなく、本部と加盟店オーナーさんとの協力関係を築き、一緒にそのフランチャイズチェーンが発展していくような役に立ちたいと思っています。
「鰻の成瀬」FC経営の経緯
鰻の成瀬」という、現在200店舗を超えた鰻のフランチャイズです。このフランチャイズの1号店を、埼玉の上尾という場所で実際にオーナーとして経営しております。
経緯をお話しますと、私は元々この「鰻の成瀬」の本部である「フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社」という会社の顧問弁護士という立場でいました。
フランチャイズビジネスインキュベーション株式会社は、元々鰻屋ではなく、FCのコンサルが本業です。そのため、元々は、いろんなFC本部から相談を受ける側の会社でした。社長は元々「おそうじ本舗」出身で、加盟店の開拓や加盟店管理をどっちもやっていました。
色々な本部から相談を受ける中で、後ほどもお話しますけれども、鰻業界の中でそのポジションが空いていたり、鰻という商材の強さだったりを全て戦略的に考慮し、FC展開をし始めたという会社です。
私は、一昨年フランチャイズに特化した弁護士がいないというのを聞き、「フランチャイズ弁護士™️」の商標を申請してフランチャイズ業界に特化しようというように、完全に振り切ったわけですが、法律の専門家ではあっても、フランチャイズ内部の動きというのはあまりよく分からない状態でした。
弁護士として他人ごとのアドバイスだけではなく、実際に自分でFCのお店を経営してみたいと思ったのが、1号店として鰻屋さんを始めたという1番の理由です。そのため、鰻屋さんで一発儲けようというよりかは、フランチャイズ弁護士としてやっていく上で、1つでも説得力が増えたり、クライアントさんのお役に立てる場面が増えたらという思いで鰻屋を経営をしています。
こんな感じのお店です。私が1号店としてオープンしたのが去年の2月で、それからまだ1年4ヶ月しか経っていないのですが、店舗数が200以上になった、今すごく勢いのあるFC本部かなと思います。
私がやってきたこと① ターゲティング
私がやってきたこと①、ターゲティングです。
これは片岡先生の話に通じるところもあると思いますが、皆さんが誰のお役に立ちたいのか、というところを考えていただきたいと思います。一般的にはペルソナと呼ばれる、どういう人をターゲットにするかという話になります。
例えば、女性ファッション雑誌1つとってみても、10種類ぐらい同じような雑誌があるわけですが、その1つ1つの雑誌が、いわゆるそのペルソナを定めています。そのため、女性側からすると「この雑誌が私のために発行されてる雑誌だ」と感じて、実際に手に取るということになります。
専門特化と言うと、例えば「相続」、「企業法務」、「労働分野」というように、分野の専門性はあるものの、「誰の、どんな悩みごとを解決できるのか」というところがなかなか見えにくい部分があります。そのため、例えば片岡先生であれば管理団体とか、私であればフランチャイズ本部といったように、誰のお役に立ちたいのか、というところをぜひ考えていただきたいと思います。
私がやってきたこと② ポジショニング
もう1つが、ポジショニングです。
業界での立ち位置と言われます。片岡先生も仰っていましたが、そこが空いているかどうか、つまり、他にその分野の専門家としてやっている弁護士がいるかどうか、という話になります。
私も、フランチャイズに特化している弁護士が居ないという業界の人からのお声で、特化することを決めました。
例えば、刑事事件を専門にやっていきたいと思っても、刑事事件専門の弁護士の先生はかなりの人数います。そこに新参者がどれだけ入っていけるか、というところがありますので、ぜひ専門を考えるときには、ポジションが空いてるかどうかも考えていただきたいと思います。
では、鰻の成瀬はどういうポジションかといいますと、鰻業界の中で、うな重が4000円以上するいわゆる老舗屋さんと、980円の吉野家の間のポジションが空いていたということになります。2000円前後でそれなりに美味しい鰻を出すといううなぎ屋さんが今までなかったということです。
もう1つ例を出しますと、ワークマンがバズりましたよね。もう今は結構一般的になって居ますが、ワークマンが2、3年前になぜあれだけ爆発的に売れたかといいますと、アパレル業界の中で「高機能・低価格」のポジションが空いていたということになります。
ルイ・ヴィトンは「高機能・高価格」で、ユニクロはワークマンほどは高機能ではない。ワークマンは、キャンプでも着られるような高性能だけれども低価格というのが、ワークマンが跳ねた理由の1つです。
このように、どこのポジションが空いているのかというのも、ポジショニングという観点で考えていただくといいかなと思います。
特化して良かったこと
特化してよかったことは、2つあります。
まず、先ほど片岡先生もおっしゃっていました、「思い出してもらえる」ということです。
「外国人労務」といえば、私は片岡さんしか思い浮かびませんし、他には「ゲーム弁護士」や「CBD弁護士」などもいらっしゃいますよね。
キーワードとして、「外国人労務=片岡さん」「フランチャイズ弁護士=田島さん」というように、想起してもらえることがとても多くなりました。
2つ目は、報酬の単価がアップしました。
いわゆる顧問弁護士は、大体5万円ぐらいの顧問料が一般的だと思うのですが、特定の業界に詳しく、共通言語で話せるようになると、いわゆるコンサルティングの方に寄っていきます。私も20万円の顧問料をもらっている会社さんが2社あります。
今までの私だったらそんな価格は提示できなかったと思いますが、相手方も「こんなに詳しいのであればお願いしたい」と言ってくれています。
何か個別相談をご希望の方は、XのDMの方でご連絡いただければと思います。
私からは以上です。
康:
はい、もうあっという間に2分前になってしまいました。
片岡先生、田島先生、本日は貴重なお話をありがとうございました。