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法務のリモート対応についての情報交換(BAR山本オンライン開催レポート)

企業法務に携わる方々がゆるくつながるコミュニティ「BAR山本」、緊急事態宣言をうけていつものリアル開催ではなくオンラインで開催しました。当日は「法務のリモート対応について」をテーマに、株式会社SHIFT 法務グループ長の照山さんをゲストに迎えて、26名の方と硬軟織り交ぜた情報交換を90分行いました。(開催日:2020年5月21日)

ゲスト:照山 浩由さん 株式会社SHIFT 管理本部経営管理部 法務グループ グループ長

ゲスト:照山 浩由さん

株式会社SHIFT
管理本部 経営管理部 法務グループ グループ長

SHIFT社のテレワーク対応

ソフトウェアの品質保証・テストを専門で行っているSHIFTは、コロナ禍において同業界ではセキュリティの規制や慣習的に難しいとされてきた在宅勤務化に向けた準備を、3月の早い段階から積極的に進めてきたそうです。従業員や家族の安心・安全のために推し進めた取り組みですが、緊急事態宣言が出されてからは従業員の7割以上が在宅でのテレワークで通常業務を滞りなく進行されているそうです。

テレワーク対応の裏側で法務が対応した代表的なこと

1つ目は「在宅勤務の規定・ガイドラインの整備」。照山さんによると「SHIFT単体で2,800名の従業員に対して在宅勤務化を推進するには、2,800通りの生活に仕事が同居するため、シンプルかつ万能な規定はなく、きめ細やかに現状やニーズを汲み取って、制度を整備した」そうです。

2つ目は「取引先との契約交渉」。たとえばクライアントの執務スペースに常駐して作業する契約の場合、緊急事態宣言下ではそのままの契約とはいきません。営業現場で様々な交渉が同時多発的に生じたそうですが、法務に相談が来るのを待つのではなく、法務から現場に声がけを積極的に行い、交渉の場に積極的に法務も同席することで、自社に不利益となる契約変更を避けることができたそうです。コロナ禍の前から、顧客との契約をしっかりと整備してきた積み重ねも奏効したそうで、まさに備えあれば憂いなしですね。

3つ目は「各種ツールの導入」。ニュースでも話題になった契約締結時の判子の捺印ですが、代表から導入の許可がすんなり降りて、実質3日間で導入が完結したそうです(ルールやガイドラインの整備も導入後1ヶ月でチームがまとめたそうです)。他にも例えば、コミュニケーションツールとしての Zoom を導入するにあたっては、法務グループ内ではコミュニケーションルール(朝昼晩と1日3回のショートMTG)を定めたりするなど、テレワークだからこその新たなコミュニケーションのより良いあり方を追求しているとのこと。

「ピンチはチャンス」

照山さんによると、SHIFTの社風は「チャレンジ」。多くのメンバーが積極的に知恵を働かせて、すでにAfterコロナ・Withコロナを見据えた新しいビジネスや座組みの検討に取り掛かっているようで、法務部門としては「それらのアイデアをどのようにすれば前進させられるか」というスタンスでサポートしており、ディスカッションの段階から一緒に考えているそうです。

いわゆる「ガーディアン=会社を守る」法務としての動き方というよりは、会社の未来をメンバー一丸となってどう開いていくかを、法務として前のめりに参画していく「パートナー」としての法務の動き方そのものですね。

テレワーク下において気をつけるべきは「言語化」

ここからは参加者さんも交えたディスカッションでした。

参加者の皆さんにテレワーク化の率直な感想をヒアリングしてみると、「リモートで"一人でこなす系の作業"の業務効率が格段に上がった」という方が多い一方で、上層部とのコミュニケーションや、「何気ない立ち話」で得られていた気づきがなくなり判断材料集めがスムースに進まない、といった「実際に会うことで得られていた価値の再確認」に関する声が多くありました。

※テックの導入に柔軟な会社だと Discord を導入して音声コミュニケーションを促したりしているそうです。実際にDiscordを使っている参加者さんからは「オンラインオフィス感はある」そうで、一度試してみたいです。

何気なさ、という点については、Slack や Microsoft Teams、Zoom や Google Meet などのオンラインコミュニケーションツールは「雰囲気で済ませられたコミュニケーションも"意識的に"言語化する必要がある」ため、「新規事業やクリエイティブなアイデア創出のためのパフォーマンスをオンラインでは出しづらい」という声もあり、ちょっと考えさせられました。

一部のUXデザイン界隈の方々はオンラインワークショップを手掛けていたりしますが、多くの企業にとってはリアル→オンラインへのシフトが進み定着しだした段階で、そこから共創・創発がオンラインでも実現可能になるためには、ツールだけでなくオンラインへの順応も必要になります。

店主の山本は「リアルがいい」と叫んでおりましたが(笑)、多くの経営層・意思決定権者層の本音かもしれません。

テレワーク環境下の「評価」について

「(法務部門の)メンバーを評価する・自分が評価される、という点においても、テレワークにシフトしたことで今後大きな変化が訪れるでしょう」と、照山さんは言います。

もちろん様々な評価制度を取り入れることで、バックオフィスの人材評価を多面的に行っている会社もたくさんいらっしゃると思います。それでもあえて端的な物言いをすると、コロナ以前は多くの会社が、出勤することでの「労働時間」を会社に提供し、対価として評価・報酬を得る形が成立していました。言うなれば、弁護士におけるタイムチャージと同じような考え方です。

照山さんいわく、SHIFTはもともと労働時間に対してではなく成果に対して評価を行う考え方をもっていましたが、今後はより一層、日々の業務の成果を「定量的に」「言語化」して行くことが重要になるとのこと。特にバックオフィス人材こそ、その必要性は強くなるのではないかとのことです。それはすなわち「上長に評価してもらう」という受動的なあり方から、「自分の成果はこれです」と「評価を促す」能動的なあり方への転換でもあります。

ディスカッションの中では「軸=プライシングにとって必要な検討項目を整備する必要性を感じた」とのコメントがありましたが、それは例えば「今月は○○通の契約書レビューを行った」という出発点でも良く、「○○通というけれど、NDAばかりなのか、会社の未来を左右するM&Aの契約書なのかで重み付けが違うのでは?」という議論を誘発し、そうした議論の積み重ねこそが、企業独自の文化に発展していくものでもあります。

元々ご自身で会社を経営されていたこともある照山さんならではの見解、とも思う一方で、参加者さんのチャットには「バックオフィスの仕事に対する適切な評価は、転職のタイミングでしか測れないのでは?」といった感想もあり、テレワーク化の評価については今後も各社それぞれ深い議論が必要そうです。

まとめ:議論を止めるな。

コミュニケーションの話題も人材評価の話も、当然ですが一朝一夕で「こうあるべき」という姿には至ることはありません。

SHIFT照山さんのように、「ピンチはチャンス」と捉えて、Afterコロナ・Withコロナにおいての企業法務のあり方を、継続的に、皆さんと一緒に、考えていければと思った次第です。

BAR山本、初のオンライン開催は比較的真面目なディスカッションで終始しました。またぜひ、企業法務の担当者さんとのディスカッションの機会を作りたく、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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