桜ヶ丘法律事務所 弁護士 大窪 和久先生に、GVA assist の導入背景や目的をお伺いしました。
貴所の業務内容や特長・得意分野についてお教えください。
弊所は11名の弁護士が所属し、民事・刑事弁護を数多く対応している、いわゆる「街弁」です。特徴としては、所長の櫻井が「弁護士過疎地域の解消のパイオニア」であり、若手弁護士を育成して任期付きで弁護士過疎地等に派遣し、任期終了後は事務所で受け入れる、というシステムを有しており、私も含め、これまで30名以上の弁護士を弁護士過疎地域に送り出しています。
私の顧問先は、個人からの受任が6割、企業法務は4割くらいです。たまたまですが医療系の顧問先が多く、病院に対する誹謗中傷への対応や、トラブルを未然に防ぐ予防法務のアドバイスをしています。
誹謗中傷については企業だけでなく、個人も被害に合ってしまうケースも増えてきており、常にアンテナを張って情報収集をし、インターネット上での誹謗中傷の相談に力をいれるようにしています。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
契約書関係の相談は、月にすると6~8件くらいでしょうか。企業間取引の業務委託契約書や、個人の方から出版関係の契約書レビューが依頼をいただいたりと、契約類型は多種多様です。
スポットでの契約書レビュー依頼は受けておらず、ビジネス背景を理解している顧問先様からの依頼に対し、基本的には数時間以内、長くなっても一日以内に回答できるように心がけています。
GVA assist を導入するに至ったきっかけをお教えください。
私自身がもともと消費者の被害救済などの民事を中心にしてきた背景から、企業法務の契約書業務における業務支援ツールとしてGVA NDAチェック(旧称:AI-CON)を使っていました。
GVA NDAチェック が GVA assist としてアップグレードした際、他のAI契約書レビューツールも見てみましたが、費用感があわなかったり、安いけれど使い勝手がいまいちだったりしたこともあり、それらの導入を見送りして、コストと使い勝手のバランスで、GVA assist を利用することにしました。
GVA assist をお使いいただいたご感想をお教えください。
AIリスク検知は便利ですね。依頼元から「この契約、どんなリスクがある?」と聞かれたとき、もちろん自分で気づいているリスクもありますが、GVA assist は網羅的にリスクを検知してくれるので、その中からピックアップしてお伝えすることで、顧問先への回答がスピーディにできます。
業務委託契約書などの主要な契約類型は GVA assist にプレイブック(契約審査のノウハウ集)があり、それに基づいたレビュー結果を GVA assist が瞬時に出してくれます。さすがに個人のお客様からくる出版契約書などはありませんでしたが、著作権に関する条項などは豊富なバリエーションがプリセットされており、それらを条文検索機能でフリーワード検索して参照するだけでも、効率的にレビューを行えています。
これらの業務をWebブラウザでなくWord上で行えるのはとても便利ですね。PDFで契約書が送られてくることも無いわけではないですが、大半はWordですので、Word上ですべて完結するのは楽です。
定量的に評価できる導入効果があればお教えください。
契約書レビューにかかる稼働時間は大きく減らせています。契約類型にもよりますが、定型的な契約書であれば、レビューにかかる時間は1/2くらいになったのではないでしょうか。紙や書籍で参考条文を調べるより遥かにスピーディになりましたし、それにともない顧問先に回答するまでの時間もぐっと短縮できて、顧問サービスの品質にも良いインパクトがあります。
また、定量的な効果ではないですが、契約書の見落としが減ったことや、あまり扱ってこなかった契約類型の相談がきても、GVA assist に豊富な契約書ひな型やプレイブックがあるので、とっかかりになる安心感もあります。
GVA assist への期待やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
GVA assist に現状不満はなく、満足しています。あえて言うならば、契約書ひな型のバリエーションがもっと増えると嬉しいですね。特に労働契約関係が拡充すると、私の顧問先にとってもありがたいです。
事例を読まれている先生に向けて一言お願いいたします。
GVA assist を使うことで、契約書レビューの精度が一定レベルにまで上がりますし、スピードも向上します。そのため、弁護士として顧問先により付加価値の提供ができるように心がけています。言い換えると、弁護士がやるべき仕事にフォーカスするためのサポートツールだと思います。
もしかすると、使ってみないとその良さが分かりづらいツールかもしれませんので、一度試してみてはいかがでしょうか。