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今あらためて「AI」ができることを理解する。

弊社の GVA assist に限らず、「人工知能/AI(Artificial Intelligence)」を冠したサービスが世に出て、私たちの目に触れる機会はここ3~4年でとても増えてきました。

本記事では、プログラミングやIT技術に長じていない方でも「AI」についてご理解いただけるよう、その歴史やできることを平易にまとめてみました。従って、年次や技術背景、厳密な定義などについては割愛している部分が多くありますが、どうぞご容赦ください。

リーガルテックに限らず様々なサービスをリサーチしている方が多くいらっしゃると思います。AIについておおよそのことを理解して、ご自身に必要なサービスに出会えることができましたら、大変幸いに存じます。

AIの歴史について

「AI」はこれまで2回、脚光を浴びては「思ったほどのことはできないのね」と熱が冷める、を繰り返してきました。現在のブームはいわば第三次ブームなのです。

簡単に、これまでのブームを紐解いてみます。

第一次ブーム(1950年代~1970年代)

第一次のAIブームは1956年から始まり、1970年あたりまで続いたとされています。時代的に冷戦下ということもあり、米国が「翻訳等の機能をコンピューターに欲していた」背景から、それが高じて最初のAIブームが起きました。

この時期に、今ではあたり前に使用しているコンピューターの”検索”と”推論”が可能になったのですが、ご推察の通り、翻訳のように難解な課題解決までたどり着かず、最初のAIブームは終わりを迎えます。

ちなみに、AI(人工知能)というワードは1956年の「ダートマス会議」で初めて登場し、現在もなお使用されています。

第二次ブーム(1980年代)

AIに”知識”を与えることによって、実用可能な水準まで達することができるようになり、実際に専門分野の”知識”をAIに学習させて推論させてみたら、専門家のごとく振る舞えるようになった、とされるのが1980年代で、この時期に再度AIがブームになりました。

少しだけ掘り下げると、当時「エキスパートシステム」と呼ばれたテクノロジーが登場し、それがあたかもAIのように振る舞うよう見えたことから、ブームが再燃したのです。

ですが、エキスパートシステムは、膨大な量となる”知識”をコンピューターが理解しやすい形に人間が手作業で変換し、入力する必要がありました。想像するだけで大変な作業で、実用までにはたどり着かず、次第に第二次AIブームは再び終わりを迎えてしまいました。

第三次ブーム(2010年代~現在)

「ビッグデータ」という言葉を聴いたことはありますでしょうか。その名前の通り、大量のデータ、です(「Excelで処理しきれないデータ」と表現する方もいますね)。このビックデータを用いた「機械学習」の技術が登場してきました。

そして、機械学習をさらに発展させた技術として、今までは人間の手で設計していた”知識”となる数値を、AI自身がみずから習得する「深層学習(ディープラーニング)」という技術が登場しました。

2010年代に機械学習とくにディープラーニングの技術が進化したことで、人力の作業の手間が削減され、AI自身が学習する兆しが見えてきて、現在の第三次AIブームの火付け役となり、今に至ります。

私達の身の回りにあるAIについて

現在、私たちの生活にAIはどのように活用されているか、身近な例を中心にいくつかご紹介します。
我々の生活で身近にあるAIといえば、

  • スマートスピーカー Google Home、Amazon Echo、等
  • お掃除ロボット ルンバ、等
  • スマートフォン Siri、Googleアシスタント、等
  • 自動車の自動運転 テスラ、トヨタ自動車、等

ざっとこのあたりでしょうか。SiriやGoogleアシスタントなどスマートフォンで一度は使用したことがある方もいると思います。また、テレビコマーシャルで自動運転を目にする機会も増えてきたように感じます。なんだか子供のころにみたマンガやアニメの世界みたいですね。

これらの製品やサービスを通じて、AIは私たちの生活の中で活躍してくれるようになりつつあり、だいぶ身近な存在になってきたようにも感じます。

ですがまだ課題はあります。

例えば、スマートスピーカーやスマートフォンに話しかけたとき、「よくわかりません」等の返事をもらってしまったことはありませんか?

早口で話したりモゴモゴと話したりすると、きちんと認識されない場合も多く、「AIに伝わるように」発話する、言い換えると「人がAIに合わせる」という状況がまだまだあります。他にも例えば、自動車の自動運転。ハンドルを握りアクセルやブレーキ操作に集中しなくても良くなる延長上に、乗るだけで目的地に勝手にたどり着いてくれるような未来を期待してしまいますが、現在は2020年4月に施行された改正道路交通法(および道路運送車両法)によって様々な制約があります。

自動運転には自動化の範囲に応じて「レベル」が0から5まで設定されており、例えば「レベル2」だと、運転手には「自動車の操作を監視する義務」が課されます。レベル2の自動運転(※)の場合、上記のような未来の姿ではなく、運転手はハンドルに常に手を添えていないとならない、と定められています。

※レベル2は「運転支援」にあたるとされており、厳密には自動運転ではないそうです。

上述の改正道路交通法では「レベル3の自動運転も運転である」と定義され、実際にレベル3の自動運転に対応した車もいよいよ市場に出てきそうではありますが、レベル3での自動運転に関する条件はかなり限定されるようです。

このように、実生活に入り込みつつあるAIも、まだまだ解決すべき課題が数多く残っているのが実情です。とはいえ一歩一歩と着実に、課題が解決されつつもあります。


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まとめ(強いAI・弱いAI)

第二次AIブームのさなかに、ジョン・サールという哲学者が「強いAI」「弱いAI」という考え方を提唱しました。

強いAIとは、「AIが人間を超える」といったシンギュラリティの考え方のように、ある意味「万能なAI」を指します。高い汎用性で、知覚や思考といったことも可能で、いわば「人間らしく振る舞うことができるプログラム」です。

一方で、弱いAIとは、囲碁や将棋、家電製品やWebサイトでたまにみかけるチャットボットのように、「限定した分野・領域において機能するプログラム」を指します。

「AI」と耳にするとつい「強いAI」をイメージしてしまいますが、まだそこに到達しているサービス・プログラムはなく、いわば「弱いAI」がほとんどです。

言い換えると、「AIだからなんでもできる」「AIに任せれば全てクリアになる」といった考え方は、今の時点では現実的ではなく、「いまはまだまだ弱いAIで、できることには限りがある。ただし特定用途においては非常に便利になる」と考えておくと、AIサービスを検討する際に過度に期待することもなく、かといって幻滅したりすることも、なくなるのではないでしょうか。

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