株式会社スマサポ 内部監査室 室長 有川様に、
OLGA の導入当時の背景や目的、効果について
お伺いしました。
貴社の業務内容をお教えください。
当社は「smart なくらしを support する」をテーマに、不動産資産価値の向上や入居者メリットの拡大、業務効率化といったテーマに対し、既存商品・サービスを更に深堀する新しいビジネスモデルの構築や、ITを活用した新しいサービスを生み出し、不動産管理会社や不動産仲介業者を通じてより多くの入居者に新しい価値を届ける不動産管理会社向けソリューション提供業を行っております。
現在の法務部門の体制やご対応されている業務、ふだん取り扱っている契約の類型や月間取扱い通数についてお教えください。
当時は、経営企画本部 人事総務課にて、法務業務関連全般を対応しておりました。人事総務課は情報システム関係と人事労務・総務関係の2チームに分かれ、計8名が在籍しておりました。
法務については専任スタッフがおらず、私が兼務で契約書業務を担当し、業務提携や秘密保持、業務委託契約書などのリーガルチェックや作成を対応しておりました。リーガルチェック業務だけに限定すると月10件くらいの依頼が常時あり、当社事業にインパクトの大きな契約については私の上長が最終チェックを行う、という体制でした。
現在は法務を担当するメンバーが加わり、たまに私が 内部監査室の観点からリーガルチェックの結果を検証することはありますが、OLGA を用いて当社のレギュレーションに沿ったリーガルチェックを担当してもらっています。
法務としての課題感や、OLGA を導入するに至ったきっかけをお教えください。
当時の課題感としては、
1.リーガルチェックにかかる時間を短縮したい
2.リーガルチェックの品質を高め、結果の水準を一定に維持したい
というものでした。
当社は2019年10月に当時属していた会社から独立し、会社機能を一から作らなければならない状況でした。バックオフィス部門としては、会社基盤を構築しながら、各部署から依頼されるリーガルチェックや新たな契約書ドラフトの作成依頼に対応しておりました。
ですが、部署としては法務業務のみを専門としているわけではないため、すべてが同時進行のなか、1案件にかかる対応時間を可能な限り短縮させる必要があったため、AIレビューツールの導入を検討することになりました。
--弁護士の方に頼らなかったのですか?
特定の法律事務所と顧問契約は締結しており、契約書のリーガルチェックは OLGA 導入前からそちらにご依頼していました。ですが、少々珍しいサービス形態で、固定の先生ではなくさまざまな先生がご対応してくださるというものでした。
そのためか、ご依頼から戻りまでが一律5営業日かかること、アサインされる弁護士の先生が同一でないことから成果物に対するレビュー結果にバラツキがあること、この2点が当社にとっては課題でした。
後者はともかく、前者の5営業日というリードタイムは、当社のスピード感においては「すごい時間がかかる」印象だったので、スピード感のあるリーガルチェックの体制を作るためには
1.弁護士からのフィードバックを蓄積する
2.そのフィードバックを再活用できる状態を作る
ことが重要だと考え、AIリーガルチェックツールの選定基準の一つにもなりました。
現在多くの製品が市場にありますが、どのように選ばれました?
選定において価格はもちろん重要ですが、価格だけで決めてしまうと当社の課題を解決できない場合があることは認識していました。
AIリーガルチェックツールについては現在多くの選択肢があり、いくつかのサービスを比較してみましたが、機能や出来ることはおおよそ似通っている印象で、あとはサービスの設計思想が当社にマッチするかどうか、という点が重要かなと考えた次第です。
そうしますと、
- あるツールは、機能面において OLGA とできることがあまり変わらず、価格的な差が大きく、また、協議する上で当社と相手方とで求めるものがマッチしなかった
- 別のツールは、価格において優位性はありましたが、機能において OLGA よりも「できないこと」が多かった
という点から、OLGA が検討のテーブル上に最後まで残りました。
また、OLGAのコンセプトが「自社の契約ナレッジを活用する」というものだったことから、契約のプロである弁護士からのフィードバックを再活用したいと考えていた当社には OLGA が一番マッチするだろうと、決めることができました。
OLGA を使って、リーガルチェック業務のどのような課題が解決されたか、可能な範囲でお教えください。
一番の課題であった、事業部門からリーガルチェックを依頼されてから戻すまでの時間は、圧倒的に短縮できるようになりました。また、不足条項がAIで検知されることで、細かいミスの防止に繋がっています。
他にも、契約書ドラフトの作成にかかる時間の大幅な圧縮が実現できています。
当社は新規事業や今までになかった取り組みを精力的に進めていることから、それらを前進させるにあたり関係者との契約はとても重要で、OLGA導入前には分厚い契約書ひな型集も買ってみたのですが、「そもそも今回のケースに当てはまるのはどれ?」を見つけるのが大変でした。
それが、OLGA に数多くプリセットされている契約書ひな型を組み合わせることで、ドラフトを作成するまでの時間を大幅に短縮することができ、導入前に考えていた以上の業務効率化につながっております。
--上記について、定量的に評価できる導入効果があればぜひお教えください。
OLGAを導入して1年間の数値として、申請者の依頼から人事総務課がリーガルチェック結果を戻すまでに要した平均日数は以下の変化がありました。
導入前:5~7営業日
導入後:1.8営業日
同様に、ドラフト作成についても、
導入後:2.8営業日
となっております。
導入前は、事業部門には一律で5~7日の猶予をいただくようにしていましたので、最大で75%の時間短縮効果が OLGA で得られました。
OLGA ご導入前後での、リーガルチェック業務やワークフロー、法務業務の変化についてお教えください。
リーガルチェックおよび契約書ドラフトに要する時間の短縮化により、事業部門が相手方と協議開始するまでのスピードが早まり、契約締結が全体的に前倒しできるようになりました。
契約にかかるリードタイムが短縮されたことで、間接的にですが売上計上時期も自ずと前倒しとなっている事案もあるため、法務業務というスポットでの変化というより、全社的にポジティブな変化が生じています。
リーガルチェック自体の変化としては、OLGA の推奨条文や条文検索などを通じて「契約書独特の言い回し」をたくさんインプットすることができ、勘所が身についた感覚があります。
「どのように書いていいかが分からない」が、OLGA を通じて数多くの条文にふれることで、法務業務専門の部署を設置せず兼務の中で手探りだった私でも、実践を通じて素養が身についてきていると実感しています。
OLGA で、他人に教えたい機能や使い方があればお教えください。
アドイン版の「表記揺れ」を検知修正する機能と、ブラウザ版の「新旧文書比較」です。
「及び」「および」などの記載ミスや、最終版として相手方から送付されたファイルが協議の結果と相違ないか確認する作業について、人の目でチェックするにはあまりにも時間のロスが激しいと感じていました。
それがクリック一つで修正でき、また、文書変更箇所が可視化できるこれらの機能は、リーガルチェック以外でも公的文書の公開前チェックに役立っています。もちろん複数名によるチェック体制は組んでいますが、それでもケアレスミスをシステムが防いでくれる安心感はかなり大きいです。
OLGAに対する期待値やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
サービスの機能追加だけでなく、定期的に無料セミナーを開催されている点についてとてもありがたく感じています。(ユーザー企業であれば)過去開催分も閲覧できるため、新担当にもそれらの動画を視聴してもらうことで、リーガルチェックの基本的な知識や進め方の習得、新たな情報入手に役立っています。ぜひ継続してもらいたいですね。
改善を希望する点としては、OLGAに登録されている契約書に記載の一般条項が、GVAひな型によって違いがある点の平準化と「解説無し」の件数減少です。ただ、これらについては引用元や著作権との兼ね合いもあると予想されるため、希望しながらも難しい点であることは理解しております。
事例を読まれている方に向けて一言お願いいたします。
OLGA を導入してから1年が経過し、導入時を振り返ってみますと、「すぐに答えがでてしまう他社ツールを使っていたら、契約内容についてなにも考えなくなって、当社の法務スキルが伸びなかったかもしれない」と感じています。
必ずしも法的素養がない方でも、OLGA を使い、さまざまな条文に触れて、解説を読むことで、リーガルチェックに慣れることができる。例えば損害賠償条項一つとっても、契約類型によっては書きぶりがまったく異なる、そういう理解を積み上げていけばより実践的に法務スキルが高まります。OLGAを使い続けることで得られるものはとても多いです。
もちろん、パッと答えを出してくれるツールを求める企業がいることも理解できます。ですが当社のように、契約業務を効率化したいだけでなく、法務としてのレベルアップをお考えの企業には、OLGAをお勧めいたします。
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