株式会社PLAN-B 経営管理部 総務ユニット 今藤 咲智様、石田 美和様に、OLGAの導入背景や当時の目的、現在のご利用状況などをお伺いしました。
貴所の業務内容をお教えください。
弊社はSEOやWeb広告、サイト制作といったデジタルマーケティング事業から始まった会社で、大阪・東京を拠点として今年で21期目、従業員数は150名ほどになりました。現在はデジタルマーケティング事業だけでなく、マーケティングDX事業やASP事業、メディア事業など、コンサルティング事業のみならず事業会社としての幅を広げています。
現在の法務部門の体制や、ご対応されている業務をお教えください。併せて、ふだん取り扱っている契約の類型や月間取扱い通数などもお教えください。
今藤様:
弊社の法務チームは現在2名体制です。現在は石田がメイン業務として法務を担当しております。私も石田も法務畑としてキャリアを積んできたわけではなく、それぞれ人事・経理としてのキャリアが長く、法務経験は弊社が初です。
石田様:
契約の月間取り扱い数は、最近は100件くらいまで増えてきています。一昨年前は月あたり50件にも満たない状況でしたが、ここ数年でクライアント様の増加・パートナー様の拡大・自社サービスの成長等、事業の拡大に伴い、契約件数はおかげさまで増加傾向です。
扱っている契約書としては、NDAと業務委託でおよそ全体の80%を締めています。残りは、他社様サービスを弊社が利用する際の利用規約レビューや、自社ひな型に対する修正依頼などです。
法務としての課題感や、OLGAを導入するに至ったきっかけをお教えください。
今藤様:
私が前任の法務担当から業務を引き継いだ際に、3つの不安がありました。
- 引き継ぎを通じたナレッジの蓄積が一切なかったことへの危機感
- 顧問弁護士とのリレーションにかかるリードタイムの延伸
- 契約リスクの見落としが生じかねない恐怖
1について、これまで弊社の法務担当は、他のバックオフィス業務を持ちながら顧問弁護士との連絡係、事務としての業務がメインで、ナレッジの蓄積やキャリアとして自立を求められてこなかったという経緯があり、仕方がないことだと思っております。特に法務業務は、100%完璧な引き継ぎは難しいとも思いますが、ですが今後、事業や組織が拡大していくことを考えると重要課題だと捉えていました。
2について、顧問弁護士の先生にお支払いする予算を増やして依頼業務を拡大することも考えましたが、それでリードタイムが短くなるものではないと思われます。また、顧問弁護士に依頼を増やすことが叶ったとしても、それが自社にナレッジが溜まっていくことには繋がらないとも考えました。
3については法務であれば誰しも気がかりな不安ではないでしょうか。それをツールが一定程度カバーしてくれる状況が作れるのであれば、リスクヘッジという直接的な効果だけでなく、レビューに取り組む際の心理的不安を解消し、気楽に取りかかれるようになるとも考えました。
そこで、顧問弁護士の先生とも相談して、AI契約レビューツールを導入して一次レビューを社内で行える体制にすれば、コスパ良く、リスクの見落としを防ぎ、社内にナレッジが溜められるようになるのでは?という方針になりました。
石田様:
法務キャリアのある人材をチームに入れる、という選択肢も世の中的にはあるかもしれませんが、そのような専門人材は採用が難しいことや、そもそも弊社のバックオフィス部門は1職種1名、多くて2名という体制で動いているため、法務だけを強化することは正直難しかったです。
ですので、AI契約レビューツールを導入することで
・兼任状態の法務担当が、契約業務の知識を身に着けて、法務として独り立ちする
・社内での一次レビューの精度を高め、法務レベルを上げる
だけでなく、
・顧問料を上げることなく、顧問弁護士とのリレーションが円滑になる
状態を作ることを、法務チームの方針として上申し、稟議を通しました。
今藤様:
弊社の選定ポイントとしては、コストを重視しつつ、UIの使い勝手の良さ・レビュー結果の品質への安心感を鑑みながら、やはり自社に契約ナレッジを蓄積していくことを軸として、いくつかのツールを見させていただき、OLGAを選ばせてもらいました。
工夫した点は、コストを中心とした比較表で稟議を上げてしまうと「他社の安いツールでいいんじゃない?」と上席から指摘されそうだったため、OLGAを選ぶこと=契約ナレッジを自社に蓄積することが将来どのようなリターンを当社にもたらすか、というストーリーを石田が組み立ててくれた点ですね。
なお、このストーリーの組み立てにも、GVA TECHさんの担当セールスとの初回商談がとても参考になりました。いろんな企業法務をご存知だからか、弊社の状況をただしく深く理解してもらい、その上で「PLAN-Bの法務はどうあるべきか」を考えるきっかけを商談の場でいただきました。
OLGAの導入時に苦労した点はありますか?
今藤様:
自社の契約審査基準を整備して OLGA にセットする業務は、NDAと業務委託の2類型で1.5~2ヶ月くらいかかりました。セット自体は、OLGA のヘルプページを参照しながら容易に実行できる内容だったので、集中してとりかかれる状況であればもっと短縮できたかもしれません。
OLGA を使って、契約書レビュー業務のどのような課題が解決されたか、可能な範囲でお教えください。
今藤様:
大きく2点あります。
1点目は、OLGA 導入の一番の目的である「契約ナレッジを自社に蓄積する」環境を整備できたことです。
経営陣からは、OLGA を導入しても契約上のリスクヘッジをするために顧問弁護士に必ず相談・確認するように指示がありましたので、OLGAを用いて法務担当が一次レビューを実行し、その結果・見解を添えて先生に相談をします、そして、先生からのフィードバックで「これは」という内容については OLGA の管理画面上からすぐに追加反映して、次には活かせるようにしています。
2点目は、契約に関する理解が法務チーム全体として深まったことです。
私たちが法務畑出身ではないこともあって、OLGA導入前は、事業部門からくる契約書相談を顧問弁護士に依頼するいわば仲介役にすぎなかったのですが、OLGAを導入してからは、一次レビューを私たちで行い、その上で弁護士の先生に相談し、先生からのお戻しについても内容を理解しつつ事業部に戻す、というフローになったことで、契約法務としての理解が格段に深まりました。
顧問弁護士も「OLGAは活用すればするほど、得られる効果が高まるツールですね」とおっしゃっていただいており、導入して完成では無く、むしろここから如何に活用できるかが重要だと実感しています。
OLGAご導入前後での、契約書レビュー業務やワークフロー、法務業務の変化についてお教えください。
石田様:
自社の契約審査基準がだんだんと明文化されてきています。特に不足条文については「この条文を追加した方が良いと考えます」といった申し送りを添えて顧問弁護士に投げかけるようになったりしています。
また、事業部門からドラフト作成依頼が来たときなどは、OLGAで出力して条文を検索してみて「一般的にはこういう見解です」といった情報も事業部門にフィードバックできるようになっています。
結果として、これまでの「丸投げ」な状態からは、業務量としては増えています(笑)。ですが、契約について法務として向き合い、その知見を OLGAに貯める、というプロセスが確立したことで、中長期的には大きな工数削減になると確信しています。
定量的に評価できる導入効果があればぜひお教えください。
石田様:
セルフレビューができるようになった件数は、これまでは0件でしたが、現在は全体の約3割くらいは対応できるようになっています。
また、事業の成長に伴い以前から2~3倍になっている契約書対応を、法務の人員体制を変えずに対応できている状況が作れています。
他には、私たちの契約に関する理解力が深まったことから、顧問弁護士とのやりとりの回数自体を削減できています。
OLGAで、他人に教えたい機能や使い方がありましたらお教えください。
今藤様:
締結済み過去契約書の蓄積と、条文検索の合わせ技です。
OLGAには条文だけではなく、変更履歴やコメントも一緒に蓄積できるので、Wordファイルを開いて探しに行かなくても、OLGAの条文検索でキーワードにひっかかるものを横断的に確認できる点が、検索性が高くて便利です。
この機能のおかげで、クラウド上に保管しているだけだった過去の契約書を、レビュー時に参照して利活用できるようになりました。
OLGAに対する期待値やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
今藤様:
OLGA は法務スキルを高めていきたい弊社にとって充分な機能を備えています。欲を言いますと、GVA manage をセットで使えれば良いのですが、それには弊社の予算組みが必要なので、いずれまたご相談します笑。
事例を読まれている方に向けて一言お願いいたします。
今藤様:
OLGA は第二の顧問弁護士みたいな存在です。OLGAを導入するプロセス自体にも、自社の法務課題がいったい何なのか、顕在化して考えられるきっかけになると思います、ぜひ一度担当者さんから話を聞いてみてください。
石田様:
他社ツールと比較して、OLGAはダントツで使いやすいです。導入検討段階から導入後のサポートまできめ細やかで、法務のリソースが足りていない企業にとっては本当に強い味方になります。
今藤様:
OLGA を使いだしたことで、法務として本来求められている業務にリソースを注げるようになりました。OLGA は法務パーソンとしてのキャリアを高めるだけでなく、法務担当として自社に提供する価値も高められるツールだと考えています。