オイシックス・ラ・大地株式会社 法務部 マネージャーの岡崎みや様に、 GVA assist の導入当時の背景や目的、効果について お伺いしました。
貴社の業務内容をお教えください。
岡崎みや様(以下、岡崎様):
当社は食品宅配事業として「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」という3つのブランドを展開しております。B to C事業のみならず、B to B事業として、保育施設への食品卸、業務用ミールキットの販売、メディア・アライアンス事業も展開しております。
また、近年はグループ企業の拡大なども盛んに行っております。
現在の法務部門の体制やご対応されている業務、併せて、ふだん取り扱っている契約の類型や月間取扱い通数などもお教えください。
岡崎様:
当社の法務部門は現在以下のメンバーで構成されています(※2024年3月取材時)。
部長:1名
マネージャー:1名
チームメンバー:6名
アドバイザー:1名
取り扱う契約としては、業務委託契約書、売買契約書、秘密保持契約書などがやはり多く、月間で150通くらいは法務部でレビュー・ドラフトを行っております。
法務としての課題感や、GVA assist を導入するに至ったきっかけをお教えください。
<サマリー>
1.法務部のリソース不足により、ダブルチェック体制を作れない状況
2.法務部全体での、自社の契約ノウハウの共有ができていない
3.新規事業への法務対応および非定型契約書の作成/レビューノウハウ不足
岡崎様:
AI契約書レビューツールの導入検討は、契約書のレビュー業務を効率化したい、というのが最大の目的でした。
背景として、既存事業の拡大や新規事業・アライアンス事業の増加に伴い、法務部への相談依頼件数は年々増え続けている一方で、事業戦略上、法務部の積極的な人員増が難しい状況が長らく続いておりました。
リソースが常に不足している状態にあり、法務部で対応する全ての契約書のドラフト・レビューをダブルチェックする体制をとることは難しく、契約書レビューは担当者のみのシングルチェックを基本としていました。定型的な契約書であれば問題はないのですが、内容によっては経験・スキルの観点からシングルチェック体制に不安を抱えるメンバーもいました。
また、当社の法務部メンバーは全員が中途入社で構成されているため、当社としてのレビューの基準やトンマナにもばらつきがあり、基準の共有も課題になっていました。
他にも、新規事業が続々と立ち上がったり、子会社からの法務相談が急増したりしたことから、これまで経験したことのない論点への対処やはじめて触れる契約類型が増加し、法務部としての契約対応に見落としや抜け漏れが生じていないか、リスクを常に感じていました。
GVA assist を使って、レビュー業務のどのような課題が解決されたか、可能な範囲でお教えください。
<サマリー>
1.レビュー時間の短縮
2.レビューノウハウの法務部内共有による業務品質向上
3.メンバーのレビュースキル向上および心理的負担の軽減
岡崎様:
GVA assist の導入によって次のことが実現できました。
1.レビュー時間の短縮
契約書のレビューにかかる時間はかなり短縮できています。急ぎの対応が求められ、レビューに時間をかけられない場合などでも、GVA assist を使うことで最低限のリスクチェックができるため、事業のスピードを落とすことなく、法務部としての提供サービスの質を担保できるようになっています。他にも、PDF形式のファイルでレビュー依頼がきても 、GVA assist を利用すると、ファイル形式を変更することなくPDFのままレビューにとりかかれるため、圧倒的な時間短縮ができています。
また、シングルチェックに不安を抱くメンバーが、これまで上司や同僚に相談することが多かったのですが、GVA assist に搭載されているひな型や条文の解説を読み込むことで一定程度のことが自己解決できるようになり、法務部全体の工数削減も図れています。
2.レビューノウハウの法務部内共有による業務品質向上
GVA assist の特徴である自社契約基準の機能を積極的に使っています。具体的には、よく使う文言や言い回し、先方向けコメントを自社ひな型にストックし、GVA assistを通じてメンバー間で共有することで、ノウハウ共有による質的向上と、口頭・チャットベースでのコミュニケーションにかかっていた時間を削減できています。
3.メンバーのレビュースキル向上および心理的負担の軽減
GVA assist に搭載されているひな型を活用することで、レビュー・ドラフト対応が可能な契約書の幅が広がりました。また、様々なひな型だけでなく条文解説が豊富に搭載されていることで、メンバーの自己学習にも寄与しています。レビューだけでなくGVA assistの他機能を活用し、これまで手作業だったタスクをツールで自動化できたことで、レビュー・ドラフト業務に対応する際の心理的負担も軽減されるようになりました。
GVA assist で、他人に教えたい機能や使い方があればお教えください。
<サマリー>
1.豊富な契約書ひな型が搭載されている点
2.推奨条文/オプション条文、解説コメントが充実している点
3.表記揺れ修正機能や文書比較機能など、作業負荷を削減できる点
豊富な契約書ひな型が搭載されている点
当社が作成・保有している契約書ひな型が少ないことは従前より課題になっていました。取り扱い経験が少ない類型の契約書をレビュー・ドラフトする際、GVA assist にあるひな型をベースにする、または参照することで、心理的な負担なく作業が進められます。
推奨条文/オプション条文、解説コメントが充実している点
契約書レビュー時に積極的に参照することで、論点の整理がスピーディに行えるようになり、検討にかかっていた時間が短縮されます。
解説コメントは、他部署に向けた説明に便利に活用できるだけでなく、担当者がしっかり読み込むことで、レビュースキルの向上にもつながっているように思います。
表記揺れ修正機能や文書比較機能など、作業負荷を削減できる点
表記揺れ修正機能はカスタマイズ性が高く、例えば自社でよく使う用語を登録して簡単に揺らぎを発見できます。一度登録すれば、他の契約書をレビューするときにもフィルターがかかるので、用語を登録すればするほど表記揺れチェックが緻密になるのが助かっています。
また、当社のECサイトの会員規約など、利用規約類のアップデートも一定頻度生じるのですが、文書比較機能を使うことで新旧対照表形式による差分をチェックできるのが、見やすくてとても便利です。
GVA assist に対するご要望や改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
岡崎様:
基本的な契約書の形式には対応していますが、例えば契約書内に表の記載があると比較がうまく機能しなかったり、1つの契約書に複数の契約が連なっていたりする場合(例:基本条項、A特約、B特約といった形式の契約)に条文番号のずれや比較が上手くいかないことがあるため、そうした特殊な形式の契約書にも対応していただけるとありがたいです。
また、日英中の翻訳機能もあると、海外事業や海外との取引も発生しうる当社としては助かります。
その他、細かい点ですが、表記揺れを一括修正するときに、マーカーONにした状態で修正すると、マーカーをOFFにしても修正箇所のマーカーが残ってしまう点は改善してもらうとありがたいですね。
事例を読まれている方に向けて一言お願いいたします。
岡崎様:
契約書のレビュー・ドラフト業務は、どの企業の法務部にとっても主要な業務であり、法務部で働く以上は必ず通る道で、努力して品質を向上させていく必要のあるものです。ですが、法務部のメンバーがどのような環境でどのような経験を積んできたかによって、その方法や考え方は大きく異なることがあるため、共通基準を設定する必要性や、チームとしてのサービスの均質化が課題になることが多いです。
GVA assist は、レビューにかかる時間短縮やメンバー個人のスキルアップだけでなく、法務部がチームとして事業部門に貢献するために必要な、自社の法務ナレッジの共有・活用を後押ししてくれます。法務部門の機能強化に課題を感じている方は、一度お問い合わせされてみてはいかがでしょうか。