弁護士法人長瀬総合法律事務所 代表弁護士 長瀬 佑志先生に、OLGA の導入背景や目的、効果などをお伺いしました。
貴所の業務内容や特長・得意分野についてお教えください。
弊所は茨城県に拠点を構え、地方都市にある法律事務所としては珍しく、民事だけでなく企業法務にも注力している法律事務所です。
現在は8名の弁護士が所属し、130を超える企業様の顧問を担当しています。クライアント様の業種が何かに特化・集中しているといったことはありませんが、最近は運送業の企業様からご相談いただくことが増えてきています。
現在のレビュー体制や、その頻度について、具体的にお教えください。
所属弁護士のうち企業法務がメインの弁護士は3名です。契約書レビューのやり取りは1日4~5通くらいあり、月にすると100通くらいは契約書をみていると思います。
取り扱っている契約類型としては、NDAは全ての顧問先から依頼がきますし、就業規則などの労務関係のほか、業務委託や不動産賃貸借なども広く依頼がきます。また、商社系の顧問先からは販売代理店契約のレビュー依頼がきたりなど、バリエーションは様々です。
OLGAを導入するに至ったきっかけをお教えください。
導入を検討しはじめた際、ツールに期待したのは「レビューにかかる時間の短縮」と「レビュー精度の向上」の2点です。
現在世の中に出ているサービスは「AI契約書レビュー」という製品カテゴリで位置づけられていると思いますが、そもそも「AIで契約書をチェックできたとしても、その内容に安心できる」とは当初から思っておらず、私達弁護士が行っている”顧問先のための契約書レビュー業務”をどれだけ効率化できるか、という点にフォーカスして比較検討した結果、使いやすさと価格において、OLGA が最も良かったです。
OLGAをお使いいただいたご感想をお教えください。
OLGAの前身サービスである GVA NDAチェック(旧称:AI-CON)を最初に触ったときは、レスポンスがかえってくるまでに1営業日かかることから、顧問先への提供サービスの補助としては難しい面があると感じていました。
ですがOLGAは、条項の修正例が提示されるまでに数十秒程度に短縮されたので、すぐに導入した場合の効果を実感できました。
とくに情報の一覧性・検索性が優れています。依頼者から「この契約書をチェックしてください」と依頼がきて実際にレビューすると「この条項のここだけ、もうちょっと良い表現にしたい」と思うシーンは多々あると思います。依頼者のニーズに一番近しい条文の書き方を探す際、市販の書籍から探しだすよりも圧倒的に早く、しかも豊富な条文のバリエーションをOLGAが提示してくれますので、素早く修正できます。
私達弁護士はほとんどの方が判例検索サービスを使っていると思いますが、OLGAは契約書版の判例検索サービスのようなイメージですね。
導入効果をお教えください。
導入効果については、契約類型によって異なります。たとえばNDA。秘密情報の範囲を定義する際など、「ここの記載表現を変更したい」というケースは多くありますが、過去に作成した契約書から探しだすのに5分かかるとして、OLGAだと1分もかからずに完了します。わずか4分かもしれませんが、積み重なると大きい効率化を図ることができます。
また、ゼロから契約書を作成する場合、これまではリサーチだけで30分~1時間くらいはかかることもありました。OLGAであればものの数十秒でたたき台ができあがり、そこから顧問先に向けて内容を調整したとしても、従来と比較すると1/3以上の時間短縮効果があります。
事務所内でナレッジの蓄積があまりない契約類型のレビューだと、1/10くらいの工数削減になるのではないでしょうか。
OLGAへの期待やご要望、改善点、ご意見などをぜひお聞かせください。
欲を言いますと、契約書の各条文解説のなかに、法律や最高裁判例等の「根拠」がもっと豊富に提示されるようになると、さらにありがたいですね。弁護士はやはり裁判所の判例を気にするため、例えば条文ごとに主だった裁判例を、その裁判の名称だけでも見られるようになりますと本当に助かります。
また、各種契約書のひな型は随時追加されていますが、労務管理系の社内規程がもっと増えるとありがたいですね。
事例を読まれている先生に向けて一言お願いいたします。
弊所では、主に企業法務に携わる弁護士は全員 OLGAを使っていますが、これが常態化すると、OLGA にない契約類型のレビュー依頼が来たときが怖く感じるほどです。
私たちにとっては、OLGAは判例検索ソフトと同様、なくてはならないツールになっています。
OLGAは企業法務に携わる弁護士にとって「かゆいところに手が届く」実務的なツールだと実感しております、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。