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(寄稿記事)オンライン医療に関わる法律の現在地

(法務記事提供元:本記事は 弁護士法人GVA法律事務所 弁護士 宮田 智昭 様(第一東京弁護士会所属)・元 弁護士法人GVA法律事務所 弁護士 戸田 一成(第二東京弁護士会所属) 様からの寄稿記事です)

(寄稿記事)オンライン医療に関わる法律の現在地

近年、少しずつ規制緩和がなされてきたオンライン医療は、2年前のガイドライン制定昨年の薬機法改正今年の新型コロナウイルス拡大に伴う暫定措置によって大きなターニングポイントを迎えています。

本稿では、アップデートの著しいオンライン医療に関わる法規制の現時点の到達点について、概要をご説明いたします。

オンライン医療に関する法規制の全体像

オンライン医療とは、一般的に、情報通信機器を活用したリアルタイムによる医療に関する行為の総称で、その中核となるのは、オンライン診療オンライン服薬指導です。

オンライン診療とは、医師・患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為です。従来より、医師法第20条は、医師に「診察」義務を課し、この診察とは原則として対面でなければならないと解釈されてきました。

この対面による診察義務が、平成27年以降、順次規制緩和され、平成30年3月に厚労省から発出された「オンライン診療の適性な実施に関する指針」により、対面によらないオンライン診療が広く認められるに至りました。

オンライン医療のもう一つの核は、オンライン服薬指導です。服薬指導とは、薬局が医師からの処方箋に基づき患者に薬剤を販売する際に、薬剤師により必要な情報提供と薬学的知見に基づく指導を行うことであり、現行の薬機法第9条の3第1項では、やはり対面で行うことが義務付けられています。

しかし、前述のオンライン診療の規制緩和に伴って、薬剤の処方・交付についても遠隔で行うニーズが高まってきた結果、令和2年9月1日施行の改正薬機法で、一定の要件のもと、対面によらないオンライン服薬指導が解禁されるに至りました。

これらの規制緩和の動きと別に、新型コロナウイルス感染症の拡大に際して、オンライン診療とオンライン服薬指導の時限的な規制緩和がなされました。この時限的措置は、「オンライン診療の適性な実施に関する指針」により認められたオンライン診療の要件をさらに緩和するとともに、令和2年9月1日の改正薬機法施行に先立ってオンライン服薬指導を解禁するものです。

以下、これらの具体的な内容についてそれぞれ説明いたします。

また、最後には、オンライン医療サービスとして開始する場合に必要となる利用規約類の概要についても概説いたします。

オンライン診療のルール

平成30年3月「オンライン診療の適切な実施に関する指針」

前述のとおり、医師法第20条にいう「診察」とは対面診療を指すものと解釈されてきましたが、近年の情報通信機器の発達に伴い、離島、へき地等に居住している等の理由で医師と直接の対面診療を受けることが困難な方でも医療を受けることを可能にするべく、情報通信機器を活用した遠隔での医療の可能性が検討されてきました。

平成9年には、当時の厚生省から「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」という通知が公表され、「直接の対面診療による場合と同等ではないにしてもこれに代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、遠隔診療を行うことは直ちに医師法第20条等に抵触するものではない」ことが明らかになって以降、その内容の改正や明確化が行われ、平成30年3月に、これまでの考え方を整理・統合したルールとして、厚生労働省より、「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が公表されました。

この指針は令和元年7月に一部改訂がされており、現在のオンライン診療における到達点となっています。

そこで以下では、この指針(以下「オンライン診療指針」といいます)を中心に、オンライン診療のルールについて、主なものを簡単にご説明します。

オンライン診療のルール

医師-患者間合意

オンライン診療も、通常の対面診療と同様、患者が医師に対して自己の心身の状態に関する情報を伝えることとなるため、医師と患者が相互に信頼関係を構築した上で行われる必要があります。

そのため、オンライン診療を行うに際しては以下の点を遵守する必要があります。

  1. 医師において、患者がオンライン診療を希望していることを明示的に確認する
  2. 医師において、患者に対して下記の事項を説明する
    ・オンライン診療では患者から得られる情報が限られているために対面診療を組み合わせる必要があること
    ・オンライン診療の都度、医師がオンライン診療の実施の可否を判断すること
    ・下記診療計画に含まれる事項
  3. オンライン診療を実施する旨について、医師と患者の間で合意をとる
  4. 医師において、オンライン診療の実施の都度、医学的な観点から実施の可否を判断、オンライン診療の実施が適切でないと判断した場合はオンライン診療を中止して、速やかに適切な対面診療につなげる

適用対象

(ア)初診対面の原則

上記のとおり、オンライン診療も通常の対面診療と同様、医師・患者間の信頼関係の構築が必須であり、かつオンライン診療は、対面診療と比較して得られる情報が視覚及び聴覚に限られることから、原則として初診においては直接の対面で行うべきであるとされています。

また急病急変患者においては、初診であるかに関わりなく対面診療が原則ですが、その後容態が安定した場合は、オンライン診療の適用を検討することが可能です。

(イ)初診対面の原則の例外

もっとも、(ア)の例外として、患者がすぐに適切な医療を受けられない状況にある場合などにおいては、オンライン診療を行う必要性・有効性とそのリスクを踏まえた上で、医師の判断の下、初診であってもオンライン診療を行うことは許容され得るとされています。

ただし、この場合でもオンライン診療後は、原則対面診療を要します。

(ウ)患者が医師といる場合のオンライン診療

上記と異なり、患者が医師といる場合のオンライン診療(「D to P with D」といいます)において、オンライン診療を行う医師は、患者といる医師から十分な情報提供がされている場合は、初診であってもオンライン診療を行うことが可能です。

これは、上記のとおりオンライン診療においては、得られる情報が限られているために疾病の見落とし・誤診のリスクがある点がネックになるところ、実際に患者といる医師から十分な情報が得られている場合には、そのようなリスクが小さくなるということを考慮したものと考えられます。

診療計画

また、オンライン診療を行うにあたっては、オンライン診療を行う前に、患者の心身の状態について、直接の対面診療により診断等を行い、オンライン診療で行う具体的な診療内容(疾病名、治療内容等)やオンライン診療を行わないと判断する条件等の診療計画を定め、2年間は保存することとされています。

本人確認

オンライン診療において、患者が医師に対して心身の状態に関する情報を伝えるにあたっては、医師は医師であることを、患者は患者本人であることを相手側に示す必要があるため、原則として医師と患者双方が身分確認書類を用いてお互いに本人であることの確認を行う必要があります。ただし、社会通念上、当然に本人と認識できる状況であった場合には、診療の都度本人確認を行う必要はありません。

医師の身分確認書類としてはHPKIカード(医師資格証)、医師免許証等、患者の身分確認書類としては保険証、マイナンバーカード、運転免許証等が挙げられます。

薬剤処方・管理

医薬品の使用は多くの場合副作用のリスクを伴うものであり、その処方に当たっては、効能・効果と副作用のリスクとを正確に判断する必要があります。

それゆえ、原則として新たな疾患に対して医薬品の処方を行う場合には、直接の対面診療に基づきなされる必要があります。

もっとも、この例外として、在宅診療、離島やへき地等、速やかな受診が困難である患者に対して、発症が容易に予測される症状の変化に医薬品を処方することは、その旨を対象疾患名とともにあらかじめ診療計画に記載している場合に限り認められるとされていますが、新たな症状の変化に対しては、その経過を対面診療した際に確認する必要があります。

診察方法

上記のとおり、オンライン診療では得られる情報に限りがあるため、医師は、直接の対面診療に代替し得る程度に、患者の心身の状態に関する有用な情報を得られるように努める必要があります。

このことから、まず医師において、オンライン診療中に患者の状態について十分に必要な情報が得られていると判断できない場合には、速やかにオンライン診療を中止し、直接の対面診療を行う必要があります。

このほか、オンライン診療を行うには、リアルタイムの視覚及び聴覚の情報を含む情報通信手段を採用する必要があります。なお、補助的な手段としてチャット機能等の画像や文字などによる情報のやりとりを活用することも可能ですが、オンライン診療が文字、写真及び録画動画のみのやりとりで完結してはならない点には留意する必要があります。

診療報酬

オンライン診療に対する診療報酬は、「オンライン診療料」として算定することが認められていますが、これには以下のような条件があります。

まず、オンライン診療料が算定可能な患者は、特定疾患療養管理料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料、地域包括診療料、認知症地域包括診療料、生活習慣病管理料、在宅時医学総合管理料又は精神科在宅患者支援管理料の算定対象となる患者である必要があります。

また、算定は患者1人につき月1回限りで、対面診療とオンライン診療を同月に行った場合は、オンライン診療料は算定できません。

そして、オンライン診療が対面診療と組み合わせた医学管理のもとで実施されるものであるということから、連続する3月の間に対面診療が1度も行われない場合は、オンライン診療料を算定することはできないとされています。

このように、診療報酬の条件をみると、オンライン診療はその活用範囲が限られているという難点がありますが、後述のとおり、オンライン診療は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて現在一部規制緩和がなされているところであり、この状況下においてオンライン診療がさらに活用され、その有用性や安全性が評価されれば、将来において制度上も活用範囲が拡大される可能性はあるように思います。

薬の配送・オンライン服薬指導

オンライン服薬指導の解禁

オンライン医療を提供するにあたっては、薬剤をどのように遠隔にいる患者に届けるかという点も大きな課題です。

もともと薬剤の処方には、診察した医師・医療機関が自ら処方する「院内処方」と、診察した医師、医療機関が患者に処方箋を交付し、患者がその処方箋を薬局に交付して薬剤を購入する「院外処方」の2パターンがあります。

このうち、院外処方の際には、薬剤師による「対面による服薬指導」が義務づけられていました(薬機法第9条の3第1項)。この法規制により、院外処方によって遠隔で薬剤の処方を受けることが難しいため、オンライン医療における薬剤の処方においては、従来、院内処方の方法が広く用いられてきました。

しかし、令和元年の薬機法改正(令和2年9月1日施行)で、オンラインによる服薬指導が解禁されたことにより、オンライン医療に院外処方を組み合わせる選択肢が大きく広がりました。すなわち、従来は服薬指導の方法は「対面により」行うものとされていたところ、新たに「映像及び音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが可能な方法その他の方法により薬剤の適正な使用を確保することが可能であると認められる方法として厚生労働省令で定めるもの」が加わりました。

オンライン服薬指導のルール

オンライン服薬指導を行うための要件は、概ねオンライン診療の要件と類似しており、具体的には以下の1~3のとおりです(改正後薬機法施行規則15条の13第2項)。

  1. 同一内容の処方箋により調剤された薬剤について、あらかじめ、対面により、服薬指導を実施していること。
  2. 次に掲げる事項を定めた服薬指導計画に従って行われること。
    (1)オンライン服薬指導で取り扱う薬剤の種類及びその授受の方法に関する事項
    (2)オンライン服薬指導並びに対面による服薬指導の組合せに関する事項
    (3)オンライン服薬指導を行うことができない場合に関する事項
    (4)緊急時における処方箋を交付した医師又は歯科医師が勤務する病院又は診療所その他の関係医療機関との連絡体制及び対応の手順に関する事項
    (5)その他オンライン服薬指導において必要な事項
  3. オンライン診療又は訪問診療において交付された処方箋により調剤された薬剤を販売又は授与させる場合に行われること。

留意すべきなのは、オンライン服薬指導の対象は、オンライン診療又は訪問診療において交付された処方箋に限られており、また、オンライン診療に先立って対面による服薬指導がなされていることが必要となります。

さらに、オンライン服薬指導の実施にあたっては、厚労省から発出された行政通達「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(オンライン服薬指導関係)」(令和2年3月31日薬生発0331 第36号)も参照する必要があります。

診療報酬

オンライン服薬指導による診療報酬は、月1回、オンライン服薬指導を行う保険薬剤師は、原則として同一の者であること、手帳により薬剤服用歴及び服用中の医薬品等について確認することなどが算定要件となります。

新型コロナウイルス関連暫定措置

令和2年4月10日に導入された厚生労働省の事務連絡

上記では、オンライン診療に関する原則的なルールについてご説明をしましたが、本項目では、今回の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により今年の4月10日に導入された暫定的な措置についてご説明いたします。

なお、当該事務連絡の内容については、「オンライン診療に関する時限的措置と今後の展望」という記事においても触れておりますので、併せてご参照ください。

暫定ルール制定の背景

オンライン診療は、上記で触れましたオンライン診療指針が原則的なルールを定めているのですが、現在もなお猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、感染者が医療機関に集中することによって更に感染が広まってしまい、安定的な医療の提供ができなくなってしまうという問題(いわゆる医療崩壊といわれる問題です)が生じ、これに急遽対応するために上記の暫定ルールが制定されました(なお、この暫定ルールでは、厳密には「電話や情報通信機器を用いた診療」とあり、オンライン診療という言葉遣いをしていませんが、下記では「電話や情報通信機器を用いた診療」も含めて「オンライン診療」と記載します)。

暫定ルールの具体的内容①(医療機関における対応)

概要

そこでまず医療機関における対応として暫定ルールの具体的な内容を簡単にご説明しますと、その主なポイントは、下記の2点になります。

  • 一定の要件の下で初診からオンライン診療を行うことが可能となった
  • 患者がオンライン服薬指導を希望する場合は、処方箋を医療機関から薬局へFAX送信、その後処方箋原本を送付すること

一定の要件の下で初診からオンライン診療を行うことが可能に

そこでまず1点目ですが、暫定ルールによると、①患者からの求めを受け、②当該医師がオンライン診療で診療・処方が可能と判断した場合において、オンライン診療による初診が可能とされました。

なお、これによる診療報酬については、診療報酬A000初診料の注2に規定する214点を算定することが可能とされているほか、患者から医療機関への支払方法については、銀行振込、クレジットカード決済、その他電子決済等の方法が利用可能とされています。

また、実際に初診を行う際の遵守事項としては、①生ずるおそれのある不利益、急病急変時の対応方針等について、医師から患者に対し十分な情報提供・説明を行い、診療録に記載すること、②対面による診療が必要と判断される場合は、オンライン診療を実施した医療機関がすみやかに対面診療を行うか、事前に承諾を得た他の医療機関に紹介すること、③医師・患者双方の本人確認のため、患者については被保険者証を、医師は顔写真付きの身分証明書を、画面越し・FAX・口頭等で確認すること、という事項が定められているため、留意を要します。

オンライン服薬指導を行う場合の処方箋の取扱いについて

次に2点目について、暫定ルール上では、患者がオンライン服薬指導を希望する場合には、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載の上、当該患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にFAX等により処方箋情報を送付することとされています。

これにより、患者は、医療機関や薬局に一度も赴くことなく、診療・薬剤の処方・服薬指導を受けることが可能となります。また、院内処方を行う場合には、患者と相談の上、医療機関から直接配送等によって患者へ薬剤を直接渡すということも可能とされています。

そして、診療報酬上では、上記の対応を行った場合には、調剤料、処方料、処方箋料、調剤技術基本料、又は薬剤料を算定することが可能とされています。

暫定ルールの具体的内容②(薬局における対応)

概要

続いて薬局における対応としての暫定ルールは、主に下記3点になります。

  • 医療機関からのFAX等による処方箋情報に基づく調剤等を行うことが可能となった
  • 全ての薬局において、一定の要件の下でオンライン服薬指導を行うことが可能となった
  • 薬剤の配送について具体的方法が記載された
医療機関からのFAX等による処方箋情報に基づいて調剤等を行うことが可能に

上記の医療機関の処方箋情報の取扱いにより、当該医療機関から処方箋情報の送付を受けた薬局は、医療機関から処方箋原本を入手するまでFAX等による処方箋情報を薬剤師法第23条~第27条、薬機法第49条の処方箋とみなして調剤等を行うことが可能とされました。

また、これに基づいて調剤を実施した場合には、調剤技術料、薬剤料及び特定保険医療材料料を算定することが可能とされています。

一定の要件の下で初診からオンライン服薬指導を行うことが可能に

次に2点目として、暫定ルールによると、薬剤師が、①患者、服薬状況等に関する情報を得て、②オンライン服薬指導を適切に行うことが可能と判断した場合において、オンライン服薬指導を行うことが可能とされました。また、これによる診療報酬については、薬剤服用歴管理指導料等を算定することが可能とされています。

また、実際にオンライン服薬指導を行う際の遵守事項として、上記医療機関における十分な情報提供と説明・記録を行うこと、必要に応じたすみやかな対面への切り替え、本人確認の徹底のほか、服薬状況・副作用の確認、医師へのフィードバックを行うこと等が定められています。

なお、患者が支払う配送料及び薬剤費等については、配送業者による代金引換の他、銀行振込、クレジットカード決済、その他電子決済等の支払方法が可能とされています。

今後について

以上のような暫定ルールが妥当する期間については、その具体的な時点は必ずしも明らかではなく、「院内感染のリスクが低減され、患者が安心して医療機関の外来を受診できる頃」ということが明示されているにとどまります。

現状の様子を見ていますと、この事態が収束するまでにはまだ時間がかかると考えられますので、この暫定ルールはもう暫くの間妥当し続けるということになりそうです。

ただし、収束後については、基本的に上記オンライン診療指針の原則に戻ると考えられるため、たとえば長期的なビジネスモデルを検討される際には、このコロナ禍における暫定ルールだけに着目するのではなく、仮にオンライン診療指針の原則に戻ったとしてもなお維持可能なモデルを検討されるのが骨太な戦略に繋がるのではないかと考えます。

オンライン医療サービスに必要な利用規約類

オンライン医療サービスのビジネスモデル

典型的なオンライン医療サービスにおいては、医療機関、患者、薬局という従来の当事者に加え、ITシステムを提供するプロバイダが関わります。患者に医療サービスを提供したり医薬品を販売したりするのは法律上医師・医療機関や薬剤師・薬局に限られていますので、ITシステムのプロバイダは、直接患者に対してオンライン医療サービスを提供するのではなく、あくまでも医療機関や薬局に対し、オンライン医療を提供するにあたり必要となるITシステムを提供する立場になります。

もっとも、応用版のビジネスモデルとしては、ITシステムのプロバイダがシステムの提供のみならず、オンライン医療を提供する複数の医療機関等の情報を掲載し、患者はそのリストから最適な医療機関を選択できるといったプラットフォームサービスを提供するケースもありえます。

各当事者間の契約関係

医療機関・患者間の診療契約関係、薬局・患者間の医薬品の調剤・販売契約関係は、従来の(オフライン)医療と基本的に同内容となります。従来型の医療では、手術や入院などの際には契約書、約款、同意書(インフォームド・コンセント)などの書類が作成されることがありますが、一般的な診療・調剤、特にオンライン医療に適するとされる重篤でない慢性疾患等においては、特段の契約書は用意されないことも多く、この場合、医療法、医師法、薬剤師法などに定められたルールに則って医療や調剤が行われます。

しかし、オンライン医療においては、従来の医療における契約内容に加え、ITシステムの利用、及び、上記で述べたオンライン診療・服薬指導の適切な実施のための諸要件を満たす必要がありますので、医師・患者間、薬局・患者間において共通して適用される契約約款(利用規約)を用意しておくのが適切です。

オンライン医療に関わる法律の現在地|各当事者間の契約関係

オンライン医療サービスに必要な利用規約類

オンライン医療サービスの実施にあたっては、典型的には、以下のような法的文書を用意することになります。

①医師-患者間利用規約
プライバシー・ポリシー
特定商取引法上の表記
診療計画書(同意書)
②薬局-患者間利用規約
プライバシー・ポリシー
特定商取引法上の表記
服薬指導計画書(同意書)
③医師・薬局-システムプロバイダ間利用規約(契約)
個人情報の取扱いに関する覚書


(法務記事提供元:本記事は 弁護士法人GVA法律事務所 弁護士 宮田 智昭(第一東京弁護士会所属) 様・元 弁護士法人GVA法律事務所 弁護士 戸田 一成(第二東京弁護士会所属) 様からの寄稿記事です)

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